高知短期大学の将来のあり方に関する、
高知県公立大学法人の基本方針について(FAQ)第3版

高知県公立大学法人


<1.基本方針について>
質問
 高知県公立大学法人(以下、法人と略)が打ち出した高知短期大学(以下、短大と略)のあり方に関する基本方針はどのようなものですか?
回答
 法人は、永国寺キャンパスにおいて短大と高知県立大学(以下、県立大と略)の文化学部を設置・運営するとともに、 池キャンパスにおいて県立大の残る3学部を設置・運営しています。法人は永国寺キャンパスの将来のあり方について、両大学における 議論を踏まえて、県立大の文化学部を拡充し、「地域教育研究センター」を開設することによって、短大が同キャンパスでこれまで果た してきた機能を継承・発展するという方向で検討することを提案しました。短大の発展的解消という方向です。永国寺キャンパスに高知 工科大学(以下、工科大と略)の社会科学系新学部が開設される予定の2015年度を基本方針実施の目標としています。       



<2.短大のあり方についての提起の時期と提起の理由について>
質問
 昨年度のはじめに決定されたばかりの法人の中期計画(2011年4月から2017年3月まで)では短大を充実させていくように書かれているのに、なぜ急に短大の発展的解消という改革構想が打ち出されたのでしょうか?
回答
 2010年3月にまとめられた『県立大学改革にかかる永国寺キャンパス検討会報告書』の提言において、短大については、 「新たな社会科学系学部の設置状況を踏まえて、そのあり方を検討することが適当である。また、新たな社会科学系学部の設置状況を踏まえて、 同学部との連携による社会人教育の充実や効率的で柔軟な大学運営の観点から検討すべきである」とされていました。その後、工科大による社 会科学系新学部の構想が次第に明らかになってきましたが、それとともに、永国寺キャンパスにおける短大のあり方についても、方向性を明確にしていくことが必要になってきたからです。
 中期計画については、今年の2月議会に知事から県議会に対して、「短大の発展的解消」を含む「永国寺キャンパス整備基本計画」を踏まえ永 国寺キャンパス整備のための設計等の予算が提案され、議会で承認されました。これに伴い、今後、中期目標とともに中期計画の修正が行われ ていくことになります。ただし、現在の短大教育の充実のために全力を尽くしていくことには変わりはありません。      


質問
 なぜ短大廃止なのですか?
回答
 法人および大学が提案しているのは単純な短大の廃止ではありません。県立大学の改革を通じて、短大が果たしてきた役割を発展させるなかで、 解消する方向を考えましょうという提案です。なぜこうした提案をしなければいけないかというと、次のような事情があります。
 短大は勤労者・社会人を対象とする大学として今もなお、全国的にも貴重な存在となっています。年齢も経験も様々な学生が学ぶ場として教員も学生も 今の短大に誇りをもっています。それでも、以前に比べ就業者の割合は大きく低下してきており、昼でも通えるという学生が増えてきています。しかし、工科大の社会 科学系新学部ができれば、県内で昼間の大学に進学できる枠は増えていき、また、18歳人口もさらに減少していきますので、この面で短大に対するニーズは次第に減 少していくことが予想されます。
 こうした中で短大が果たしてきた独自の役割を発展させていくためには、社会人の学習ニーズを本格的に掘り起こし、それに対応していく体制を整えていく必要が 生じてきています。知の重みが増している現代、社会人の学習ニーズが低下しているわけではなく、潜在的には広く、根強い要求として存在し、求めるものも高度化 していると考えています。特に高知の場合、潜在的なニーズは大きいと考えられます。問題はそれを掘り起こしていくことです。社会人の学習ニーズは、短大が提供 している経済や法律といった社会科学の分野だけではなく、文化や歴史などを学ぶ人文科学、自然環境や生命活動を学ぶ自然科学など、幅広い分野にわたっています から、そうした幅広いニーズに対応していく必要があります。
 また、大学進学率が上昇し、学士取得が当たり前のような状況になりつつある中で、知を力としていくためには、社会人に対しても2年間の学びから、さらに深い 学びの世界を提供することが求められています。こうしたニーズに対応していくためには、今の短大の力だけでは困難で、県立大学全体の力で社会人教育を発展させ ていく方向を打ち出していくことが必要でした。法人の今回の提案は、こうした事情にもとづくもので、提案の柱の1つが文化学部の拡充であり、今1つが「地域教育 研究センター」の設置です。
 県立大の文化学部を拡充し、夜間も開講し、人文科学の領域に社会科学教育を盛り込むことによって、社会人がより深く学び、学士を取得できる道を開くとともに、 学びの範囲を広げていくことが可能になります。また、他方では「地域教育研究センター」を設置することによって、多様な社会人の学習要求に応える柔軟な体制を 整備していくことが可能になります。



質問(2012.10追加)
 短大廃止の理由として、短大の赤字があると聞きますが、どうなのでしょうか。また赤字はどの程度なのですか?
回答
 高知短期大学の赤字は、法人として検討しなければならない大きな課題ではありますが、今回「短大の発展的解消」を提起した主な理由となっているわけではありません。改革はあくまでも高知短期大学がこれまで果たしてきた役割を、新たな状況に対応して一層発展させていくという観点から提起したものです。
 高知短期大学の収支について触れておきます。高知短期大学は永国寺校舎を県立大学と共用しており、光熱水費や各種システムの保守経費など、県立大学と短大の双方に関わるものがあります。こうした共通部分について県は学生数による按分比率で短大の収支を計算していますが、それによると、法人化後1億円を超える赤字が続くとされています。たとえば平成23年度予算から短大の収支を見てみますと、普通交付税を含む収入は1億7千7百万円に対し、支出は2億9千2百万円となり差し引きしますと約1億1千5百万円程度の赤字となります。
 短大の収入としては、授業料、入学検定料及び入学料等の自己収入に加え、学生数に応じて国から県に交付される普通交付税(基準財政需要額)を入れています(交付税は直接には県に入るもので大学に入るものではありませんが、ここでは大学の収入として計算しています)。一方、支出としては、法人化以前から私学・大学支援課が短大の支出として示していた、人件費(教員、事務職員)と大学の運営に必要な一般管理費(教員研究費、実験実習費、事務処理等にかかる経費、光熱水費など)などに加え、私学・大学支援課以外の課が負担していた福利厚生費、修繕料、時間外手当等の経費や、法人化に伴う監査法人の経費等を入れています。
 大学運営にかかわる赤字の抑制は法人としても大きな課題です。公立大学に期待されている役割を積極的に果たしつつ、県民の皆さんの理解も得ながら、法人として最大限の努力をしていきます。



質問(2012.10追加)
 今回の改革によって赤字は大きくなるという指摘がありますが、本当ですか?
回答
 短期大学がなくなることによって、短大学生(入学定員120名、在学生総数240名)の授業料収入と短大学生数に応じて県に交付される地方交付税が減収となり、赤字が拡大するという指摘があります。しかし、今回の改革は、単に短大を解消するものではなく、県立大学文化学部の拡充等によって、その役割を発展させようというもので、文化学部の入学定員は従来の80名から150名に増えます。したがって、その増員分(入学定員70名増、在学生総数280名増)の授業料と、大学学生数の増大に応じて県に交付される地方交付税が増収となります。収入への影響は両者を勘案する必要があります。
 現在の地方交付税の算定基準を前提にすると、文化学部夜間主入学定員30名の授業料を半額として想定したとしても、授業料収入と地方交付税を合わせた収入はむしろ増加し、この面で赤字を抑制することになります。



<3.夜間開講について>
質問
 県立大の文化学部において土日・夜間開講を行う、としていますが、働きながら学べる大学になるのでしょうか?
回答
 法人の提案は、拡充された文化学部において、土日・夜間に開講される科目を受講するだけで卒業に必要な単位を4 年間で履修し、学士が取得できる仕組みを作るというものです。したがって、今短大が月曜から金曜まで、午後6時から9時過ぎまで授業を行っているように、新たな学部では夜間に授業が行われ、必要に応じて土日にも授業が配置されることになります。この点で、高知県で初 めて、本格的な土日・夜間開講の4年制大学が登場し、広く県民に開かれ、働きながら学べる4年制大学が実現することになります。
 また、拡充される文化学部では、夜間に学べる3年次編入学制度も位置付けることを予定していますので、短大などを卒業している社会人 にとっては、文化学部の3年次に編入し、学士を取得する、あるいは新たな分野の学びに挑戦する道が開かれることになります。      


質問
 夜間開講には「第2部(夜間部)」、「昼夜開講制」、「夜間主コース」など様々な形があるようですが、文化学部拡充案で想定されているのはどのようなものなのでしょうか?
回答
 ご質問のように、夜間開講には様々な形があります。まず「第2部(夜間部)」は一つの独立した学部として設置されるもので、授業も基本的に夜間のみで開講されます。 「昼夜開講制」は、1つの学部でありながら、昼に授業が行われるだけでなく、夜にも授業が開講される制度です。法人が提案しているものはこの「昼夜開講制」です。
 しかし、「昼夜開講制」にも様々な形があります。土日・夜間に開講される授業の受講だけで卒業可能な単位を4年間で取得できる仕組みを構えている場合もあれば、土日・夜間だけ では卒業できず、一定の科目は昼間に受講しなければならない仕組みとなっている場合もあります。法人の提案は前者ですので、土日・夜間の受講だけで卒業可能な単位が取得できる 「昼夜開講制」を実現しようというものです。
 土日・夜間の受講だけで卒業可能な「昼夜開講制」という場合でも、昼でも夜でも自由に受講できるようにし、特別な定員枠を設けない形もありえますし、主に夜間に受講する学生に 一定の定員枠を設け、授業料を半額とするという形もあります。通常、後者の形のものを「夜間主コース」と呼んでいます。
 この間、様々な意見もお聞きし、検討を続けた結果、社会 人などにとってもっとも学びやすい形として「夜間主コース」を設置することを決定しました。定員30名で発足する予定です。授業料は通常の半額ですので、今の高知短期大学の授業料 とほぼ同程度となります。      


質問
 夜間課程で学びたくても、4年制大学に入るためにはセンター試験などがあり、社会人にとってはハードルが高いのではないでしょうか?
回答
 大学は、学ぶ意欲と能力を持つ多様な学生を受け入れるために、様々な形態と内容の試験を行っています。センター試験を利用したものはその1つにすぎません。 法人では、学校教育から離れて久しい社会人に対しては、センター試験を課さない「社会人特別入試」なども行い、社会人の学ぶ意欲と能力を独自に、適切に評価できるように考え ています      


質問
 現在、短大に入学する学生の7割を占める20歳以下の学生は、通常行われている社会人特別入試の対象とはなりません。こうした若い学生にとっては、文化学部拡充や永国寺キャンパスに 設置される工科大の新学部設置によって大学の入学定員が増えたとしても、センター試験があり、入学できない者が多く出るのではないでしょうか。
回答
 短大廃止に伴い短大入学定員120名がなくなりますが、県立大文化学部拡充と工科大新学部設置にともない、大学入学定員が180名から350名となり、170名増えます。また両大学とも 入学定員の中に県内高校生の推薦入試枠を設けていますので、入学定員増に伴い、センター試験を課さない推薦入試枠も相当数、増えることになります。もちろん試験がありますから、志願者が すべて入学できるわけではありませんが、県内高校生にとって進学機会は確実に広がることになります。


質問
 社会人にとって、学士取得は魅力ですが、4年間通い続けるのは難しいのではないでしょうか?
回答
 法人では、社会人の置かれている様々な条件にできるだけ対応できるように、「長期履修学生制度」や「復学制度」の導入などを予定しています。最長8年間の長期履修を可能にする 「長期履修学生制度」を設けることにしています。これを利用すれば、たとえば毎週2日程度、夜間の授業を受け、8年間かけて計画的に科目を受講し、卒業することが可能となります。しかも卒業まで の学費は4年間で卒業する場合と同じです。週2日程度なら何とか通えるという場合、この制度を利用して卒業することが可能になります。
 また、仕事などのやむを得ない事情で途中で退学せざるを得なくなった場合でも、再び学ぶ条件ができたときに復学できる制度「復学制度」を導入することにしています。


質問
 4年制大学に入学したものの、仕事などの事情によって2年間で退学せざるを得なくなる場合もあると思います。その場合、何の資格も得られないのでしょうか?
回答
 履修した科目の成績証明は得られますが、短期大学士など、国の制度にもとづく学位や資格証明を出すことはできません。ただし、大学に2年間以上在学し、 62単位以上の単位を取得していれば、通常、4年制大学3年次編入学の資格が得られます。また、税理士や社会保険労務士などの受験資格も得られます。       



<4.短期の学びの場はどうなる?>
質問
 社会人にとっても4年制大学は必要でしょうが、2年間という短期の学びの場がなくなってしまうのは大きな損失ではないでしょうか?
回答
 法人では、県立大全体の取り組みとして、「地域教育研究センター」を中心に、社会人など県民に対して、様々な短期の学習機会を提供することを検討しています。たとえば、大学の正規科目と正規外の科目を様々に組み合わせ、まとまった学習プログラムを提供する仕組みを検討しています。その学習プログラムを修了した場合、学校教育法にもとづく「履修証明書」を発行することができます。
 そこでは様々な学習プログラムが考えられますが、たとえば、立教大学では、社会人を対象に「セカンドステージ大学」を開講し、1年間の総合的な教養教育プログラムを提供しています。県立大でも、高知にふさわしい1年ないし2年の学習プログラムを提供することが可能です。また、資格取得など特定の目的にそった学習プログラムを提供することも可能で、こうした様々な学習プログラムを広く県民に提供する仕組みを構え、「オープン・ユニバーシティ(仮称)」として開講することを検討しています。
 また、従来からある「科目等履修生制度」を活用し、正規の科目の単位を、科目ごとに取得することも可能です。


質問
 社会人も学べる4年制大学を実現していくとしても、短大機能の継承として、短期大学士を授与する仕組みを残しておくことはできないのでしょうか?
回答
 それは難しいと考えています。現在の大学制度の下では、短期大学士を授与する課程を維持するためには、独自の専任教員組織を構えておかなければならず、 それは法人にとって経営上の負担になるからです。また、大学教員が一体となって新たな取り組みを進めることが重要になっていると考えているからです。       



質問
 短期大学を廃止するとしても、高知県立大学の短期大学部として残すことはできないのでしょうか。
回答
 高知短期大学であっても、高知県立大学の短期大学部であっても、一つの独立した高等教育機関として扱われ、そのように運営され、短期大学設置基準を満たすことが 求められます。したがって、短期大学部として残す場合も、独自の教員組織を設け、一定数の専任教員を配置することが必要となり、短期大学を残すことと同じことになります。



<5.短大改革に関する議論の進め方について>
質問
 「短大の発展的解消」は決定事項なのでしょうか?反対運動の影響はあるのでしょうか?
回答
 昨年末、法人は「短大の発展的解消」を検討の方向として県に提案し、県はこの方向について、パブリックコメントを行いました。反対の意見も多くいただきましたが、 社会人教育の発展を含めて、高知県における高等教育をさらに一段発展させるために必要な方向として、知事は県議会に対して「短大の発展的解消」の議論を提起するとともに、「短大の 発展的解消」を含む「永国寺キャンパス整備基本計画(案)」を踏まえた永国寺キャンパス整備のための設計等の予算を提案し、議会はこれを承認しました。この過程で寄せられた様々な 意見を踏まえ、短大が果たしてきた役割を発展的に継承できるように、新らたな仕組みを検討し、様々な取り組みを推進していくことにしています。短大を大切に思い、発展のために発言 されている皆様のご理解とご協力を得られるよう、今後も努力してまいります。       


質問
 再編に関する情報をどこで手に入れたらいいのでしょうか?
回答
 再編にかかる資料や議論経過については、適宜、短大ウェブページで明らかにします。また、資料公開の要請があれば、規程に従い公開します。


質問
 学生の意見を反映してもらうにはどうしたらいいのでしょうか?
回答
 要請があれば大学として、可能な限りお話しを聞く機会を設けます。