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看護学部では健康長寿センターの活動として、高知県下の保健・医療・福祉に従事する看護職者と共に、ケアの質向上をはかるための講座を企画・実施しております。
今年は、本学家族看護学領域の長戸和子先生が、患者とその家族を対象にしたケアについての講演を行いました。 当日は、県内9施設より32名の方にご参加いただきました。今回は、精神保健福祉士の方なども参加してくださり、多職種間で学びを深める機会となりました。
講義では、まず看護者が日頃、対応困難と感じている家族の反応や行動を振り返り、「戸惑い」や「葛藤」のなかで看護者が家族とどのようにかかわっていくのか、そのプロセスについて分かりやすくお話がありました。そして、家族へのケアとして必要な2つの方策「看護者自身が変わるための方策」、「家族の変化をもたらすための方策」について理解を深めました。
患者とその家族の全体像をアセスメントすることで、家族の反応や行動をとらえなおし、アプローチの方法も明確になります。最後の質疑応答では、そのためにも日頃からチーム間で組織的にケアに取り組む必要性があることを、参加者全員で共有することができました。
参加者からは、「家族にかかわる看護師の感情にもふれてくださって、すごく良かったし、助かりました。頭と心が整理されました」、「自分の中にある感情に気づき、自分が変わることも大切ということが分かった」、「対応困難の原因について理解ができ、関わりのプロセスもよくわかりました。実践のヒントをいただきました」という声をいただきました。