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【開催報告】連続講座「地域共生社会を支援する」第2回(令和6年1月23日)

ページID:0032110 更新日:2024年3月14日更新 印刷ページ表示

 本学は、「高知型地域共生社会」を支援する取り組みの一環として、地域共生社会を推進する方々を講師に招き、高知県内外の先進的な取り組みについて幅広い層の方々に知っていただくことを目的に、全3回の連続講座を企画しました。県全体でもそれぞれの地域でも、専門職やサービス資源の限界が見える中、本学は、これまであまり意識されてこなかった、地域にある資源や地域の持つ力に注目し、それらの実効性を科学的に検証・評価していく試みをスタートさせました。

高知県立大学連続講座「地域共生社会を支援する」第2回(令和6年1月23日)

 第2回⽬の講座は、近藤尚己先生(京都⼤学⼤学院医学研究科社会疫学分野主任教授)を講師にお招きし、永国寺キャンパスで開催しました。
 健康の社会的決定要因と健康格差に関する疫学研究を進めている近藤先⽣の基調講演のテーマは「社会的処⽅︓全⼈的ケアを進めるための地域連携の仕組みづくりの現状と展望」でした。生活環境や経済環境など、健康に対し多重的に影響を及ぼすさまざまな要因を紹介する中で、近藤先⽣が特に重要と強調したのが「つながり」です。⽣きるための「つながり資本」の重要さに着目し、つながり資本が人的ネットワークを通じて手に入る資源であることを、研究データに基づいて解説してくれました。

 さらに、世界保健機関(WHO)が健康の社会的格差への対応法として推奨する「生活環境の改善」「連携の強化」「格差の可視化と活動のアセスメント」が、⽇本はすでに「地域包括ケア」として⾏ってきていることを指摘し、「現在、私たちは研究ベースでいろいろな⾃治体と連携してモデルづくりをしているところ。⾼知で⾼知式の全世代型地域包括ケアを作ることが住⺠の皆さんを元気にする次の⼀⼿ではないか」と強調しました。

 話はさらに「地域包括ケア」に加え「社会的処⽅」という取り組みと、医療機関に来た困窮者を地域の活動につなげる役割に担い手としての「リンクワーカー」養成について進みました。近藤先生は、養成のための研修会がすでに複数の⾃治体で開催されてきていることに触れ、「まず⼀歩、始めてみることが⼤事。ぜひ、⼀緒に、何か⼀つから始めましょう」と語りかけました。

 基調講演に続くセッションでは、「地域共生社会を実現するために」のタイトルのもとで甲⽥茂樹学⻑が進⾏役を務め、近藤先⽣そして来場の皆さんを交えてのディスカッションが展開されました。甲⽥学⻑は、「近藤先⽣の講義を踏まえ、どういう形で地域にアプローチし、健康と幸福感が高まる地域づくりをするのか、真剣に考える必要があるのではないか」と⼝⽕を切り、高知県立大学がこれまで展開してきた⼊退院⽀援事業の取り組みを紹介しました。担当者からは、事業内容と医師の参加の少なさに困難点を感じていることが報告され、近藤先⽣から、「困難事例の解決策を学び合ったり経営に活かせたりする⾼知版地域ケア個別会議を行ってみては」との提言もありました。そのほか、リンクワークの成功事例、医療専⾨職者の患者に対するウェルビーイングの捉え⽅、医療の地域づくりへの参加について、さまざまな意⾒が交わされました。

 

 ご来場いただいた方々に心よりお礼申し上げます。

当日の様子

学長挨拶

学長挨拶① 学長挨拶②

基調講演「社会的処方:全人的ケアを進めるための地域連携の仕組みづくりの現状と展望」

近藤 尚己 先生(京都大学大学院医学研究科・社会健康医学系専攻・国際保健学講座・社会疫学・教授)

基調講演① 基調講演② 基調講演③

「地域共生社会を実現するために」

質疑応答① 質疑応答② 質疑応答③

 

 ※第2回講座の詳細はこちらをご覧ください。

(見逃し配信動画、当日の配布資料も上記リンクからご覧いただけます)

連続講座「地域共生社会を支援する」第2回チラシ(表) 連続講座「地域共生社会を支援する」第2回チラシ(裏)