お知らせ

ホーム > お知らせ

特別公開講座

高知県民の血管病重症化予防を地域連携で推進しよう-佐賀県の
コーディネート看護師を活用した『ストップ糖尿病』対策に学ぶ地域連携の方策

日時:平成30年9月16日(日) 13:30~17:00
場所:大講義室
参加者:88名

 高知県立大学看護学部 慢性期看護領域は、高知県と高知県立大学健康長寿センターとの共催、ならびに高知県看護協会と高知県糖尿病療養指導士会の後援のもと、特別公開講座「高知県民の血管病重症化予防を地域連携で推進しよう-佐賀県のコーディネート看護師を活用した『ストップ糖尿病』対策に学ぶ地域連携の方策」を開催しました。
 本講座を開催する背景には、厚生労働省が糖尿病性腎症重症化予防プログラム評価結果を踏まえ、全国各地域の連携システムがうまく機能していないことを今後の課題として指摘しており、高知県下医療圏も同様の課題を抱えていることが挙げられます。本講座は、こうした課題に対して有用な地域医療の連携システムを開発・運用している佐賀大学と佐賀県の取組に学び、高知県の地域連携システムへの適用可能性を検討することを目的に開催しました。
 佐賀県の連携システムは、佐賀大学が糖尿病コーディネート看護師を育成することで、県内の各地域で保健師と看護師の協働・連携を円滑にし、かつ地域基幹病院とかかりつけ医における糖尿病患者の療養移行を継続的に支援するものです。実際に医療費削減など多くの成果を上げています。そこで、佐賀県から4名の講師をお招きして、佐賀大学が中心となって生み出した連携システムを基盤とする佐賀県の「ストップ糖尿病」対策についてご講演いただきました。
 尚、今回の特別公開講座は、佐賀県の看看連携システムから高知県への適用可能性を検討するため、慢性期領域で取り組んでいる高知県立大学戦略的研究推進プロジェクト「高知県の血管病ハイリスク群への重症化予防推進モデルの開発-慢性疾患看護専門看護師による病院と地域の看看連携を中心に-」の一環として、開催したものです。
 第一部前半では、参加者と高知県の血管病重症化予防の課題を共有するため、まず高知県健康政策部健康長寿政策課 主幹 濱﨑絹子氏より、「高知県における血管病の現状」について講演をしていただきました。次に、参加者と血管病重症化予防を推進するための地域連携なかでも看看連携の課題を共有するため、慢性期看護領域 助教 高樽由美(慢性疾患看護専門看護師)より、「高知県の血管病重症化予防に向けた看看連携」について講演を行いました。
 第一部後半では、参加者へ佐賀県の糖尿病重症化予防を推進する地域連携システムを知っていただくため、まず地域基幹病院とかかりつけ医のコーディネーション機能を担う糖尿病コーディネート看護師(糖尿病療養指導士)による地域連携について、佐賀大学医学部看護学科 教授 古賀明美先生より、「佐賀県における糖尿病コーディネート看護師の育成と支援」をご講演いただきました。次に、糖尿病コーディネート看護師を組み込んだ地域連携システムを基盤にした佐賀県の政策について、佐賀県健康福祉部健康増進課 係長(管理栄養士) 中山裕子氏より、「佐賀県における『ストップ糖尿病』対策事業の取り組み」をご講演いただきました。
 第二部では、まず参加者へ糖尿病コーディネート看護師による地域連携を構築する活動の実際と成果を知っていただくため、小城市民病院 糖尿病コーディネート看護師 江頭早苗氏より、「糖尿病コーディネート看護師としての活動の実際」をご講演いただきました。最後に、参加者へ国と佐賀県の糖尿病重症化予防の評価を踏まえたデータ分析による地域課題の可視化と政策立案の方法について理解していただくため、佐賀大学医学部肝臓・糖尿病・内分泌内科学 教授(佐賀大学医学部附属病院 副病院長) 安西慶三先生より、「糖尿病性腎症重症化予防対策 アウトプットからアウトカムを目指して」というテーマで、国及び佐賀県の糖尿病性腎症重症化予防対策におけるデータの可視化、対象者の抽出、プラットフォームなどについてご講演いただきました。
 講師の方々と会場との意見交換では、「糖尿病コーディネート看護師の運用資金はどのように確保しているのか」、「糖尿病コーディネート看護師が実際に活動するために病院内外ではどのようなサポート体制となっているのか」、「異なる機関の多職種が連携する上で患者さんの個人情報をどのように共有しているのか」などの質問があり、佐賀県の先進的な取り組みへの関心の高さが伺われました。
 また、アンケートでは、「重症化予防や地域連携の必要性を実感した」、「行政、大学、臨床が一体となっての取り組みがすごいと思った」、「コーディネート看護師の熱意や行動力、多職種を巻き込む看護のわざ、サポート体制や連携など重症化を予防するための力や内容がわかった」、「戦略を練るためには糖尿病専門医の医学的アセスメントが主軸にあることがわかった。そこを可視化し、課題を共有していくことがまず必要であり、効果的な展開に繋がると思いました」などの感想・意見が寄せられました。
 さらに、佐賀県の取り組みに刺激をうけ、「各専門職が抱えている課題を共有しながら、連携して血管病重症化予防に取り組んでいくことが高知県でも必要だと思いました」、「高知県にも佐賀県のような地域と病院をつなぐコーディネート看護師をつくってほしい」と高知県への適用へのご意見もいただきました。
 本公開講座は、高知県の地域住民を血管病の重症化から守るための課題解決に向けて、地域課題を可視化して地域特有の課題と資源に着眼した政策立案、保健医療ヒューマンリソースの開発と政策への参画推進、ならびに文書を主とする地域連携からヒューマンネットワークへの質的転換など、議論を始める契機になったのではないかと思われます。今後も、皆様の協力をいただきながら、血管病の重症化予防に関わる看看連携の取組みを進めていきたいと思います。
  • 古賀明美先生
  • 高知県健康政策部健康長寿政策課
    主幹 濱﨑 絹子氏(保健師)
  • 中山裕子氏
  • 高知県立大学看護学部
    助教 高樽 由美(慢性疾患看護専門看護師)
  • 古賀明美先生
  • 佐賀大学医学部看護学科
    教授 古賀 明美 先生
  • 中山裕子氏
  • 佐賀県健康福祉部健康増進課
    係長 中山 裕子氏(管理栄養士)
  • 江頭早苗氏
  • 小城市民病院
    糖尿病コーディネート看護師
    江頭 早苗 氏
  • 安西慶三先生
  • 佐賀大学医学部 肝臓・糖尿病・内分泌内科学
    佐賀大学医学部附属病院 副病院長
    教授 安西 慶三 先生
  • 会場との意見交換の様子
  • 会場との意見交換の様子

PAGE TOP