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秋富慎司先生をお招きして





防衛医科大学校 准教授 秋富慎司先生を本学にお招きし、「災害時に必要なリーダーシップについて考える」と題し、災害時におけるリーダーシップや危機管理について講演いただきました。
講演では、福知山線脱線事故での現場活動、中越沖地震での医療責任者としての活動、そして東日本大震災における岩手県災害対策本部の医療班長としての活動の経験から、災害時に求められるリーダーシップ能力や、平時からの災害に対するシステムや体制作りの必要性と強化、そして派遣に伴う支援者のストレス等についてお話いただきました。

講演のなかでは、平時における関係機関との連携、そして安全管理システムの強化が、災害が発生したときに、多くの人を救いそして復興への道筋となることを強調されていました。また、高知県は南海トラフ地震に対して各方面で様々な対策が検討されていますが、備えや対策としては、自助力が必要であり、その自助力を高めるためには、まずは自分たちで出来ることから始め、地域防災力を高めることが重要であり、尚且つ、災害看護の力が発揮される場面であることも示唆されました。
さらに、災害時には多くの支援者が関わることになりますが、その支援者自身も被災者であり、また外部から支援に入った支援者も疲弊し傷つき二次被災者となる可能性があることを先生の講演から改めて実感しました。そのため、災害看護としても、支援者支援に関する体制作りも今後、事前の支援体制の構築を目指す上で、重要な分野の一つになると考えます。

今回の講演を通して、地域防災力を高めるために災害看護としてどのようにコミットメントしていくのか、そして先生がおっしゃっていた「人命救助から人生救助」に向けて、災害看護としても発災直後から中長期を見据えた支援を考えていかなければいけないと強く感じ、災害医療や災害看護を学ぶ上で貴重な時間となりました。

(2期生 野島真美)





このプログラムは、文部科学省「平成24年度博士課程教育リーディングプログラム」に採択されて実施しています。