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大豊町中学校での防災学習






2017年10月30日に高知県大豊町中学校にて、DNGL3回生の野島、ハストロが、神原准教授とともに体験型の防災学習を行いました。 大豊町中学校は、高知県中央部に位置し、全校生徒40名の中学校です。大豊町中学校では、中学生1年生(12名)を対象に総合的な学習とし、7月から南海トラフ地震に備えた減災教育を継続的に実施されています。今回はその一部の講義について依頼をいただき、「避難所での生活」を一緒に考えました。 具体的な内容としては、以下の4部構成で実施しました。 第1部は導入編で、「避難所について」と題し、野島がこれまでの被災地での看護活動をもとに、避難所での様子や課題について写真を踏まえて話題提供しました。 第2部は、「身近な物での応急処置法」と題し、野島とハストロが『南海トラフ地震に備えちょき』という冊子を基に、身近な物でできる応急処置法を伝え、参加者の生徒さんとともに実際に体験しました。 第3部は、「災害時要配慮者の方々への対応」と題し、避難所での生活では様々な人達と助け合い、共同生活を送ることとなるため、障がいを抱えた人々と共同生活を送る上でどのようなことができるのか、どのような課題を抱えているのか、お互いを理解する目的として、障がい者の就労支援を行なうNPO法人まあるい心ちゃれんじどの杉野さんにご紹介いただき、車椅子ユーザーである村田さんに話題提供いただきました。

第4部では、中学生の皆さんがとても楽しみにされていた「避難食体験」を実施しました。避難食体験では、女性防災プロジェクトの山崎さん、地域赤十字奉仕団の方々にご協力いただき、ビニール袋を使用し炊飯体験を行いました。中学生の皆さんは、いつも何気なく使用している調理器具が使えない状況で、ビニールでご飯を炊くという初めての体験に最初は戸惑っていました。しかし、仲間同士で智恵を出し合い、美味しいご飯を炊くことができ、成功体験の一つとなりました。また、調理中には、外国人や子どもを抱えた妊婦さんが食糧をもらいに来るというシナリオを用意し実演しました。中学生の皆さんは彼らを前にし戸惑いながらも、どのように分け合うのか、自分達の分はどうするのか等、様々な意見を出し合うことができ、避難所の人びととの交流についても学ぶことができました。

今回は、8月に城西中学校で行ったワークショップを一部、改変し3時間で短縮して行い、時間配分や内容の充実度等、様々な課題がありました。しかし、最初は緊張していた皆さんが、応急処置法や炊飯体験を通して、積極的な発言や行動が見られ始め、仲間同士で課題を解決していく姿に頼もしさを感じました。また、今回の体験が「これなら自分たちでも避難所でできることがある!」という自信に繋がることができればと期待しています。  今年度に多くの方のご協力の下、城西中学校・大豊町中学校と県下の2校で減災教育を展開して来ました。今後は、これまでの減災教育を振り返り、学校教育の一環としてプログラム化できるように組み立てていきたいと考えています。 最後になりますが、今回、ご協力いただきました関係各所の皆様へ御礼申し上げます。





このプログラムは、文部科学省「平成24年度博士課程教育リーディングプログラム」に採択されて実施しています。