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eラーニングにおける遠隔授業の設計と教授方法


2013年3月27日、高知県立大学池キャンパスにて、熊本大学大学院 社会文化科学研究科 教授システム学専攻・兼熊本大学eラーニング推進機構 eラーニング授業設計支援室の根本淳子先生による「eラーニングにおける遠隔授業の設計と教授方法」についてのセミナーが開催されました。

e-Learningは、EPSS(電子業務遂行支援システム)などの手法を用いた広義のe-Learning、CAI・CBT(コンピュータ支援教育)やWBT(Web Based Training)、衛星遠隔教育などの狭義のe-Learningに種別され、その授業パターンは大きく3つのタイプに分類されます。参加者全員が一斉に同じシステムにログインして活動する同期型授業(オンライン)、LMS上のコンテンツの利用や掲示板などを用いたディスカッション、あるいはFacebookやWikiなどのSNSを利用してやり取りを行う非同期型授業、そして対面授業とe-Learning(同期または非同期)を組み合わせたブレンド型授業の3タイプです。今回のセミナーでは、この3パターンそれぞの特徴と機能、同期型/非同期型授業を行うメリット・デメリット、またそれぞれの授業を行う必要性の整理・環境設計といったID(インストラクショナルデザイン)の分野など、多岐に渡る講演が行われました。

simulation 根本淳子先生によると、熊本大学では授業の効率性を高めるために学内ポータルやLMSを活用した非同期型授業を推進しており、よりインタラクティブな授業内容にするために、学習の進捗に応じて課題等が自動的にプランニングされるLMS機能を用いるなど、非同期型授業を円滑に行うための工夫をされているとのことです。

非同期型授業は学習者がいつでも学習出来るという利点がある一方、環境の構築や運用のサポート、コンテンツの作成などのシステム的な要件、あるいは非同期型授業に合わせた教授方法の変更や、教員の存在価値をどのように授業に組み込むかといった教授方法そのものをデザインする必要性があります。しかし、学習者の自主性・自律性を主体とし、学習進捗の自己管理と目標設定(アンドラゴジー)の理念に基づいた学習者ペースで行われる非同期型授業には、対面授業や同期型授業では得られない効果があるといえます。


このプログラムは、文部科学省「平成24年度博士課程教育リーディングプログラム」に採択されて実施しています。