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広島での災害復興支援



 

平成26年9月29日と30日に、広島安佐北区で災害復興支援を行ってきました。広島安佐北区は2014年8月の広島土砂災害で甚大な被害をうけた地域の一つです。

2014年8月に豪雨が広島を襲い、多くの住宅が被害に遭いました。現在も避難所で生活されており、また、土砂撤去作業も地域住民の方々で行われている状況でした。
今回は広島安佐北区のボランティアセンターの方のご協力のもと、ボランティア活動に参加させていただけることとなり、高知県立大学看護学部・社会福祉学部・健康栄養学部・文化学部・DNGL学生、高知短期大学の学生、合計23名が参加しました。

活動内容については、9月29日の早朝に高知をバスで出発し正午頃に広島に到着し現地入りしました。現地入りしボランティアセンターでオリエンテーションを受けた後、3チームに分かれ、道路の土砂撤去を夕方まで行いました。初めて、災害ボランティア活動に参加した学生が多く、被災地の現状を目の当たりにし、衝撃を受けていました。しかし、地域住民の方のためにできることをしたいとの思いが強く、日差しの暑い中、汗をかきながら、必死に土砂撤去を行っている姿はたくましく見えました。そして、活動の最中に地元住民の方々にかけていただいた「ありがとう」の言葉に勇気をいただきました。

9月30日は早朝に他の被災地をめぐりその後、9時頃より2チームに分かれ活動を行いました。
1チームは訪問支援と題し、2人+地元の高校生の3人1チームで地図を片手に支援物資とビラを持ち、1件1件お宅を訪問し「何かお困りのことはないですか?」と潜在化しているニードを拾い集めるべく活動を行いました。訪問先のお宅では温かく迎え入れていただき、当時の様子を詳細に教えていただき、思いの共有を行いました。そして、ニーズを集約し、ボランティアセンターの方へと引き継いで帰ってきました。

もう1チームは集会所をお借りし、足湯を行いました。震災から心や体がなかなか休まることがない地域住民の方々に少しでも、安らぎをとの思いで丁寧に足湯を行わせていただきました。手で触れ合うというボディータッチのコミュニケーションを通して、少しでも安らかな時間を提供できるように心がけて行いました。

今回の活動を通して、学生達は被災者の方に寄り添うことの難しさ大切さを自身の経験として学ぶことができました。また、「自分達でもできることがある」「目に見えるニーズだけを拾い集めるのではなく、見えないニーズこそ重要なニーズが隠れているのではないか」と自分達で考えることができました。

今後としては、多くの学生にこのような活動を知ってもらい、興味や関心を持ってもらいボランティアの輪を広げていくためには、何が大切なのか、捉え直す良い課題になりました。また、今回お世話になった広島大学の学生さんとの交流も継続し、県内外のネットワークを行うという目標と意欲を掲げ活動を終了することができ、とても良い機会となりました。

【DNGL学生の感想】
★ボランティア活動を経て ;高知県立大学 西川愛海 
今回は大学の後援会より費用を負担していただき、初めての被災地・初めてのボランティア活動を行いました。私は第2班として活動を行いましたが、先遣隊の方たちが、現地のボランティアと交渉をしていただいたおかげで活動を行うことができました。
最近では災害と聞くと支援や復旧に多種多様な人たちが関わっており、その中でもボランティアの存在は大きいです。今回私はボランティア活動を行う中で、ボランティア組織がどのようなものかということを少し理解することができました。
ただただ、何か力になりたいと思ってもそれが被災地の住民の方たちのニーズとマッチングしているかということが一番大切であり、そのニーズをより的確に広く深く把握するためにも現地の支援者たちとの連携が重要であるということが今回の私の一番の学びでした。また限られたヒト・モノ・時間を最大限効率的に利用するためにはPDCAサイクルに基づき活動を行うこと重要であり、その中でリーダーの果たす役割が大きいことも学びました。さらに自分がDNGL生として災害時どのような活動ができるか今後も考えていく貴重な経験にもなりました。

★ボランティア活動を通して:高知県立大学 諸澤美穂
日ごろ、災害看護を中心に学んでいますが、私にとっては初めての被災地ボランティア活動でした。初めて見る土砂災害の甚大な被害を目の当たりにし、なんとも言葉が出なかったことを今でも鮮明に思い出します。災害が及ぼす人々への影響というのは大変に大きく、様々な方面からの支援を必要とするということを改めて考えさせられる機会でした。
そのような中で、ボランティアの役割というのは、被災地域にとって大きな役割を果たすことを知りました。訪問支援の際の地域住民とのやりとりや、足湯の際のふれ合いから、ボランティアには地域住民の心を癒すことができる、そのような存在になり得るのだと実感しました。またマンパワーとしてはもちろんのこと、会話ややり取りの中から、潜在的な住民のニーズを汲み取ることができる重要な役割があるのだと思います。

また、別の観点から考えると、ボランティア活動には、ボランティアの安全がもっとも重要であり、そのような支援体制が必要です。具体的活動内容に関してはもちろん、熱中症や感染症対策がしっかりと行われており、ボランティアを受け入れる側の体制はボランティア活動を支える重要な役割です。また、多くのボランティアが住民のニーズに沿って効果的に活動を行えるよう、情報の取りまとめなどを行うのも大切であると感じました。

今回のボランティア活動を生かし、今後も様々な場面で災害看護を発展させられるよう努めて行きたいと思います。



このプログラムは、文部科学省「平成24年度博士課程教育リーディングプログラム」に採択されて実施しています。