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高知母性衛生学会学術集会『母子を守る災害への備えと対策-行政・医療・福祉の現状と課題-』





高知母性衛生学会は、すべての女性の健康ならびに母性衛生に関する研究、知識の普及、関係事業の発展の発展を図り、以て女性の衛生増進に寄与するとともに、関係機関の有機的連携を図ることを目的としています。そのため、知の拠点である県立大学としても地域貢献となるため、看護学部中野看護学部長と母性・助産看護領域松本が本学会学術集会の企画・運営を担い、本学で開催しました。

高知母性衛生学会学術集会のテーマを『母子を守る災害への備えと対策-行政・医療・福祉の現状と課題-』として、特別講演とシンポジウム、ポスターセッション・展示を開催しました。
特別講演は、国立保健医療科学院生涯健康研究部吉田穂波氏(産科医)を講師に招き、「災害時に子どもを守るため、私たちが今出来ること」をテーマでお話しいただきました。その内容は2011年3月11日の東日本震災において実際に妊産婦さんへ支援された活動、阪神淡路大震災における妊婦とその他の周産期への影響、そして、災害時に子どもを守るための備えとして母子支援の具体的方法、また、現在、取り組まれている妊婦と乳幼児を守るアクティブ講座や、災害時に次世代を守るためのツールなどをご紹介いただきました。また、日本における母子保健の現状についても未発表の最新データを示し、知的障碍児が増加していることなどについてもお話しされました。この講演の座長は高知医療センター林和俊氏でした。



シンポジウムは、高知県内で災害に関して活動されています保健師、栄養士、産婦人科医師(DMAT)、看護教員の諸先生4名をお招きしました。高知市保健所地域保健課北村真由美氏には「母子の安全に視点をおいた災害対策」と題して、次に国立病院機構高知病院永野由香里氏には「母子の健康を守る食への備えと対策」と題して、 高知県立幡多けんみん病院 渡邊理史氏には「妊婦は災害弱者か~DMATの立場からみた災害時 の周産期医療~ 」と題して、高知県立大学看護学部竹崎久美子氏には「被災者の安心と安寧を護る看護の試み」と題して、お話しいただきました。このシンポウムの座長は高知医療センター 吉川清志氏、高知県立大学看護学部松本鈴子でした。

参加者からは高知県内外より災害医療に関する有識者の講演をきき、専門職に求められる課題や役割が明確になり、職場でもっと活動しようという声をきくことができました。
ポスターセッションは、12題の母子に関する研究や災害に関する研究のポスターを掲示し、展示は避難所の女性用ブースの実物を設置しました。講演やシンポジウムが終了した後でしたが、ポスターセッションおよび展示も好評でした。
参加者は108名(うち学生21名)で、産科医、看護師、助産師、保健師、栄養士の各専門職、学部生、大学院生など、多くの参加がありました。




このプログラムは、文部科学省「平成24年度博士課程教育リーディングプログラム」に採択されて実施しています。