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ネパール看護協会における災害看護ワークショップ





ネパールカトマンズにあるネパール看護協会(Nursing Association of Nepal)において、感染症流行予防の生活環境モニタリングに関するワークショップを開催致しました。

これは、科学技術振興機構(JST)の国際緊急共同研究J-Rapidプログラムのネパール支援に採択されている「避難移住地の感染症流行予防のためのモニタリング」の一環で、実際に避難移住地で活動している看護師とともにモニタリング手法を考えることを目的とし、ネパール看護協会と高知県立大学が共催したものです。
被災地6郡全てから総勢25名の看護師が参加してくださり、中には参加する為に夜勤を続けて来た人や、来るのに3日かかった人もおられました。また災害直後に活動した看護協会理事もファシリテーターとして参加しました。

1日目には保健省疫学調査部の部長が出席し、挨拶で、ネパールでは既に20年以上サーベイランスを行っているが、地域の予防段階の情報はなかなか得にくく、災害後の今の避難キャンプのデータを看るというのは非常に特徴的である。この報告システムで上手く連携できれば、保健省でも素早い対応を取るよう支援する」といった積極的な応援の言葉を頂きました。

2日目は各郡毎にグループワークを行い、これまでの健康課題やモニタリング方法や連携すべきセクターに関して話し合いました。 参加した看護師らは災害前からの看護職であるとともに住民であり、災害後は被災者でありながら支援を行っています。その中で、災害前からの健康課題、災害直後の支援の出入りによって健康や生活環境が大きく左右することを縦断的に洞察していました。特に、下痢や皮膚病などが絶えず見られて、まだ解決していない健康課題であり、本活動によって生活環境や行動による改善の必要性が挙げられたほか、精神的なダメージやアルコール中毒のような症状も見られていることについて、何らかの介入支援に繋げてほしいという要望などもありました。

本プロジェクトでは、これらの知見を素早くまとめ、地域の保健事務所や支援団体に繋げるとともに、新たな改善策を考えるためのプラットフォームを構築していきます。







このプログラムは、文部科学省「平成24年度博士課程教育リーディングプログラム」に採択されて実施しています。