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東日本大震災へのJapan Society からの支援と米国 9.11テロ災害に対する中長期的な支援



 2015年9月17日~23日まで、DNGLの中山洋子教授、2年生の諸澤美穂、1年生の野島真美の3人はNew Yorkを訪問しました。これは福島県相馬市、南相馬市で活動しているNPO法人相双に新しい精神科医療保健福祉システムをつくる会の大川貴子理事長が東日本大震災の時に支援していただいたJapan Society、 Mount Sinai University、米国9.11の家族会の関係者の方々とお会いしてお礼を述べ、支援の経緯等をお聞きする目的で作られたプログラムに同行させていただいたものです。私たちDNGLの学生が行くということで、この訪問のコーディネートをしてくださった米国日本人医師会の柳澤医師が、Mount Sinai Hospital のWorld Trade Center, Center of Excellenceの見学やPace University看護学部の訪問も加えてくださいました。Mount Sinai UniversityでのセミナーとPace University School of Health Professions ではDNGLのプログラムの内容や活動について学生がpresentationをし、 災害における中長期的な支援のあり方や、大学における災害教育についての情報交換を行いました。

 今回の訪問では、2名の学生は9.11テロの後、被災者やその家族の歩みや、災害後の中長期的なケアや取り組みについて学ぶことを目的とし参加しました。Mount Sinai University、Pace University ともにマンハッタンに立地し、とくにPace University は、World Trade Center から歩いて15分ほどの距離にありました。Mount Sinai HospitalのスタッフやPace Universityの教授の方々から9.11テロ当時のことや、現在に至るまでの状況や支援について伺うことができました。発災後15年が経過した今でも被災者やその家族の方々が、災害によって生じた後遺症や精神的な問題に苦しんでいることを知りました。そのような中で中長期的な支援として、心身のフォローアップをはじめとして継続的に医療者が関わっており、その重要性を学びました。


Japan Societyへの訪問

Japan Societyへの訪問

Mount Sinai Universityでのディスカッション

Mount Sinai Universityでのディスカッション


 米国9.11記念館では、家族会の方から震災当時の話を伺い、現在までの歩みと活動について説明を受けました。記念館には震災に合われた方々の写真がたくさん飾られており、当時の混乱した状況や、様々な職種の人々が任務を全うしながらも、残念ながら命を落とした人々が多くいたことなどをお聞きしました。また、中には未だご遺体が見つからず、情報提供という形で探されている現状も知ることができ、大変心が痛みました。看護としてその悲しみや現実にどのように向き合い、サポートしていくべきなのか考えることができました。

 さらに今回の訪問では、Japan Society の災害時の募金の集め方、募金をしてくれた方々への報告、活動ネットワークのあり方や、ニューヨークにおける日本人の活動、また、野口英雄博士と米国日本人医師会とのつながりなど、私たちの知らない世界を見ることができました。今後とも訪問させていただいた機関や関係者の方々との交流を持ちながら、視野を広げ、多くのことを学ぶために互いの支援や看護についてなどの情報交換と交流を続けていきたいと思います。



Pace Universityでのディスカッション

Pace Universityでのディスカッション

Mount Sinai Universityでのディスカッション

Mount Sinai Universityでのディスカッション







このプログラムは、文部科学省「平成24年度博士課程教育リーディングプログラム」に採択されて実施しています。