HOME活動報告 > Future Earth 「地球の危機に立ち向かう」

Future Earth 「地球の危機に立ち向かう」





Future Earth国際本部事務局、日本ハブ事務局長の春日文子先生から「地球の危機に立ち向かう」と題し、Future Earthの概要および活動の詳細についての講義をいただきました。

Future Earthとは、国際科学会議(International Council for Science: ICSU)などが推進する地球環境変動分野の四つの国際研究計画と、それらの共同イニシアチブとしての地球システム科学パートナーシップ(Earth System Science Partnership: ESSP)をすべて統合した組織です。Future Earthは、17名の専門家からなる移行チームによる初期設計期間を経て2013年より10年間のプログラムとして発足され、主な特徴としては、地球規模の持続可能性を実現するための研究活動の推進にあたり、いくつかの特徴的な概念がうたわれています。

まずは、Inter-disciplinarity。ここでは自然科学、社会科学、工学、人文学などの学術分野の垣根をこえた「学際」研究の重要性が指摘されています。そして、Trans-disciplinarity。学術と社会の間の垣根をこえる「超学際」について示されています。このことは、Future Earthの活動に、学術の専門家だけでなく、社会のさまざまなステークホルダーが参加することを意味しており、(1) 学術研究、(2) 科学と政策のインターフェース、(3) 研究助成機関、(4) 各政府機関、(5) 開発機関、(6) ビジネス・産業界、(7) 市民社会、(8) メディアの八つが特定され、17項目のglobal goalsを掲げています。(http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201310/275002.html、 http://www.futureearth.org/news/sustainable-development-goals-scientists-worldwide-mobilised-around-transformative-agenda参照)

今回、春日先生の講義を受けた中で、印象的であったのが、他分野との分野を超えた協働・連携とその中での専門性を生かした役割についてです。共通の目標に向かい他分野の専門家がそれぞれの特性を活かし政策を掲げていき、その過程の中で専門分野であるからこそ、対立が起きた場合には、共通認識を確認し、互いを尊重し、合意点を探っていくことの重要性を学ぶことができました。今回の講義を受け、グローバルリーダーとして日本国内の問題だけでなく、世界規模、地球規模の問題に目を向けることの必要性を再認識することができました。今後も災害看護として自分たちはどの分野のステークホルダーに参画できるのか考え、学ばせていただければと思います。







このプログラムは、文部科学省「平成24年度博士課程教育リーディングプログラム」に採択されて実施しています。