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飯舘村仮設住宅におけるインターンシップ





2016年3月17日(木)から31日(木)の二週間、飯舘村の仮設住宅にて活動をさせていただきました。インターンシップの目的は仮設住宅入居者の健康問題、生活上の問題、悩みや要望等をお聞きし、村役場へつなげ、今後の行政支援のあり方を検討するというものでした。

実際に仮設住宅内の談話室で二週間生活させていただくと、住宅は狭く、隣近所との距離は大変に近く、村での生活とは全く異なり、震災をきっかけに住民は生活環境が大きく変化したことを実感することができました。とくに私がお話をお聞きしたおよそ40世帯のうち、約7割は75歳以上の後期高齢者で、その中には、仮設住宅の中で初めて1人暮らしをしている方もおられました。5年間という歳月は、高齢者にとっては、加齢という問題に直面していることが分かりました。

しかしそのような中でも集会所での行事やグランドゴルフ、仮設周囲の散歩、畑仕事(近くに畑を借りている人もいる)などで外出したり、万歩計を持って体を動かしたりしている方も多く、以前の生活に代わる活動を、意識的に行っていることを知ることができました。またそこから仮設内でのコミュニティが形成されており、仮設という狭くプライバシーの問題がある一方で、コミュニティとしての結束が高まり、それが住民にとってこの五年間の生活を支える一つでもあったのだと感じました。そこには仮設内の自治体を運営する自治会長や管理人、班長などの果たしている役割が大きいということも改めて学ぶことができました。

一方で村は来年の帰村を見据えており、仮設の住民も今後の方向性について徐々に決断を迫られている段階でした。現在あるこのコミュニティはこの形で今後も継続できるものではありません。このように一度築かれたコミュニティから次のコミュニティを構築する、もしくは参加していくのは、特に高齢者にとっては容易ではなく、揺れ動きやすい精神状況の中でさらなる身体的悪影響を及ぼす可能性も考えられます。このような中で新たな支援体制の構築を考える必要があり、DNGLとしての役割を果たすために、そこへどのようなことが必要であるのかを考えていかなければならないと感じました。







このプログラムは、文部科学省「平成24年度博士課程教育リーディングプログラム」に採択されて実施しています。