HOME活動報告 > 【レポート】平成28年度DNGL国際セミナー・学生ゼミ

【レポート】平成28年度DNGL国際セミナー・学生ゼミ





年に1度開催されているDNGL国際セミナーは、国際的にご活躍している講師を招聘し、5大学教職員・学生全員が参加し、災害に関する課題や解決について学ぶことを目的としています。
今年度は、日本赤十字看護大学が主催してくださり、11月26日(土)に広尾キャンパスで開催されました。講師として、Dr. Margareta Wahlström(Former Special Representative of the Secretary General For Disaster Risk Reduction, Head, UNISDR, 2009-2015)、西川 智先生(日本地域開発センター 総括研究理事)、浦田 喜久子先生(日本赤十字社看護師同方会理事長、前日本赤十字九州国際看護大学学長)の3名を招聘していただき、「災害マネジメントの課題 ~近年の巨大災害からの教訓~」をテーマとして講演を伺うことができました。
https://www.redcross.ac.jp/news/news_event/28dngl
(日本赤十字看護大学ホームページ)

国際セミナーを通じて、国際機関や行政機関、赤十字社などさまざまな立場やご経験に基づいた災害マネージメントに関するお話を伺う中で、共通課題として、他職種・他組織での連携の困難や、国際的指標や受援体制の構築の必要性が述べられました。また経験や教訓を次に活かすためには適切に評価する必要があり、DNGL学生の私たちにも求められている課題であると理解しました。

翌27日(日)には同大学にて学生ゼミが開催されました。昨日、講師をしていただいた3名の先生方をお招きして、各大学学生からDNGLの8つのコンピテンシーや現在までの活動に基づいた学びと今後の課題についてプレゼンテーションを行いました。 その後、3つのグループに分かれてそれぞれテーマを提示し、それぞれの経験をもとにディスカッションを行いました。

In the A Group, we had good discussion with Dr. Margareta Wahlström about how do nurses can contribute to disaster management solutions on a global scale in collaboration with public and private sector participants. In addition, Dr. Hiroshi Higashiura and Prof. Yumi Tamura highlighted that during disasters, maintaining a rapid, globally effective network and sharing information become important issues. We have spoken on the topics of negotiation and bargaining, and the value of nursing.

The Sendai Framework for Disaster Risk Reduction (SFDRR) has an extremely high affinity with nursing. The topics discussed in this group regarding core activities are also consistent and suggestive of the crucial role of nurses. In particular, nurses must promote research and education that contributes to achieving its goal and accumulating evidence regarding activity plans. Nurses shall make the contribution to achieve the goal stated in this framework of disaster risk reduction to be evaluated in 14 years and continue to widely communicate information.

Bグループでは、西川先生に参加いただき、行政の立場から看護職に求められることについて伺うことができ、保健衛生に携わるより人々に近く密着した職種であることが強みであることが分かりました。平和な時に災害など危機的状況の時のことについて考えることは非常に難しく、防災だけの話をしていても一般の方々は振り向いてもらえないため、いかに自分にとって役立つことであるかを考えることができるように工夫しながら「我ごと」として捉えてもらえるように関わることの重要性について議論を通して感じることができました。また、BCP(事業継続計画)の普及に関する活動にも長年携わっているという話を伺い、防災への対策は一朝一夕では完成させることはできないため、地道な活動を継続させていくことの重要性についても理解することができ、今後の高知DNGLとしても生かせる内容であったと感じています。

Cグループでは、浦田先生に参加していただき、これまでの経験から多職種連携における難しさ、課題、そして解決策について話し合いました。まず、チーム形成においては、共通目的を共有し相手を尊重した姿勢が必要であり、そして、活動の中で問題に直面した時には常に原点に戻り、自分たちは何のためにここにいるのか、住民目線・地域目線で考えていくことの重要性を再確認することができました。さらに、経験や教訓を次に活かすためには評価していくことが、さらなる発展のためには必要不可欠になるということも学ぶことができました。最後に、これまで多くの災害現場でチームをまとめられ、組織を作られた浦田先生より多くのアドバイスをいただくことができ、今後の実践や研究に活かしていければと思います。

以上が各グループからの学びです。
非常に有意義な時間となり、ディスカッションを通じてこれからの活動を行う上でのヒントを得ることができました。







このプログラムは、文部科学省「平成24年度博士課程教育リーディングプログラム」に採択されて実施しています。