8. 様々な電磁現象(電磁力、電磁誘導、電磁波)

8-1.磁力と磁力線(磁力は、電流と電流の相互作用)

では最初に、前回後回しにした、「磁束密度の定義」から行きましょう。

前回学んだように「磁石のN極やS極は存在しない(見かけの概念)」ですので、磁石の動きで磁力線(磁束密度)を定義するわけにはいきません。磁石の(見かけ上の)N極がS極と引き合うように見えるのは、実は「電磁石(電流)」と「電磁石(電流)」の相互作用の結果を、見かけの量(磁石の極)でまとめなおしただけのものです。ですから磁力の基本法則は、「電流と電流の相互作用」として表現する必要があります。

「電流」は「電荷」の流れです。詳しい定義は省略しますが、「水が流れている」ようなイメージでとらえていただければよいと思います。現実の金属などでは、その中にある負電荷をもつ「電子」の流れが電流を担うことが多いですが、正電荷を持つ素粒子(陽子とか)が流れる場合にはそれが電流を担います。また、どちらの電荷を正と呼びどちらを負と呼ぶかは任意であり、歴史的にたまたま金属中の電流の担い手の電荷を負と定義していただけですので、概念上は正電荷が流れると考えても、(電磁現象の理解においては)何ら不都合はおきません。そこで(普通の教科書でも、この授業でも)正電荷が流れるのが電流、と捉えて説明を進めていきます。

電流を流すと、アンペールの法則により、周りに磁場(の渦)が生まれます。\[ {\rm rot}\vec{H}( \vec{r},t )=   \vec{J} (\vec{r},t)  \]

磁場がある場所に電流を流すと(経験的に電磁石と電磁石が引き合う法則として知っているような)力が働きます。これは電流を担う「電荷」に働く力を合わせたものです。この「流れている電荷に働く力」が「磁力」の原因です。つまり、「磁場の中で、運動している電荷に働く力」が「磁気力(磁力)」の原因ということになります。その大きさは、その物体の電荷量に比例し、その物体の速さにも比例します(実験事実)。そして向きは.... 不思議なことに「電荷の移動方向(速度ベクトルの向き)に対して、垂直向き」に働きます(^^; 速度ベクトル方向なら分かりやすいし式でも簡単に表現できますが、それと「垂直」となるとちょっと厄介です。

前に(力のモーメントと角運動量保存則のところで)「ベクトル積」を紹介しましたが、ちょうどこれが使えます。この物体をAと呼んでおきましょう。物体Aの電荷量を\(q_A\),速度を\( \vec{\upsilon}_A \)とします。このとき、任意のベクトル\(\vec{B}\)に対して、\( \vec{\upsilon}_A  \times \vec{B} \)は、必ず\( \vec{\upsilon}_A \)と直行します。ですから、これを使って磁気力を表現すれば「磁気力の向きは速度と垂直になる」という関係を表現できます。つまり、物体Aに働く磁気力\( \vec{F}_A^M \)を、\[ \vec{F}_A^M =  q_{A}  \vec{  \upsilon} _A  \times \vec{B}   \]と表現することができます。

磁気力は「力」なので測定できますし、物体Aの電荷量も速度も、測定できます。ですから、この式に基づき、唯一まだ定義していなかった量\(\vec{B}\)が定義されている、と解釈することができます。このようにして定義される\(\vec{B}\)を「磁束密度」と呼び、磁束密度の様子を線で表現したものが「磁力線」です。一般に物体Aの速度は時刻に依存し、磁束密度は、その時刻に物体Aが存在する場所\( \vec{r}_A \)での値ですから、そのことを明示する引数を記載すれば、

\[ \vec{F}_A ^M( t ) =  q_{A} (   \vec{  \upsilon} _A (t)   \times \vec{B} (\vec{r}_A,t ) ) \] 

となります。


【電場\(E\) と磁束密度\(B\)の定義(ローレンツの力の式)】

さらに、既に説明した電場の定義式(電気力\(  \vec{F}_A^E  \)と電場\(\vec{E}\)の関係) \[ \vec{F}_A^E ( t ) =  q_{A}   \vec{E}( \vec{r}_A,t ) \] を合わせると、物体Aに働く電磁力(電気力と磁気力の和)\( \vec{F}_A\)は、\[ \vec{F}_A ( t ) = \vec{F}_A^ E( t )+\vec{F}_A^M ( t )=  q_{A} (  \vec{E}( \vec{r}_A,t ) +   \vec{  \upsilon} _A (t)   \times \vec{B} (\vec{r}_A,t ) ) \]となります。これが前回最初に提示した「電場\(E\) と磁束密度\(B\)の定義(ローレンツの力の式)」です。


8-2.電磁誘導の法則

ようやく「電場と磁束密度(それと比例する電束密度と磁場)」の定義が終わりましたので、前回最初に紹介したMaxwell方程式をもう一度見てみましょう。

【Maxwell方程式:電磁現象の基本法則】
\[ {\rm div }\vec{D}( \vec{r},t )= \rho ( \vec{r},t ) \] \[ {\rm div }\vec{B}( \vec{r},t )= 0 \] \[ {\rm rot}\vec{E}( \vec{r},t )=   - \frac{\partial \vec{B} (\vec{r},t) } {\partial t} \] \[ {\rm rot}\vec{H}( \vec{r},t )=   \vec{J} (\vec{r},t)   + \frac{\partial \vec{D} (\vec{r},t) } {\partial t} \] 既に半分以上「何を意味しているかのイメージ」はつかめるのではないかと思います(^^) でも3番目の式の意味を、まだ説明説明していませんね。それと4番目の式の最後の項も。この2つを順に説明していきます。ではまず最初に3番目の式から始めます。


【電磁誘導の法則】

\[ {\rm rot}\vec{E}( \vec{r},t )=   - \frac{\partial \vec{B} (\vec{r},t) } {\partial t} \] この式はアンペールの法則(電流が磁場の渦を生み出す)と少し似ていますね。この式の左辺は「電場の渦」です。右辺は「磁束密度の時間変化」です。つまり「磁束密度が時間的に変化すると、電場の渦が生まれる」という法則です。もし電場の渦に沿って電線を置けば、電線内の電荷に電場向きの電気力が働きますので、電荷が加速し、速度を持ちます。電荷が速度を持ち移動すれば、それは「電流」と呼ばれます。つまり「磁束密度を変化させることにより、電流を生み出すことができる」という「電磁誘導の法則」を表しています。ファラデーは永久磁石を動かすことにより「磁束密度の変化」を生み出し、電場の渦の中に「コイル」を置くことにより、コイル内に電流が生まれることを、実験から発見しましたが、それを式で表したのが、この式です。


8-3. 変位電流と電磁波

では、もう一度Maxwell 方程式を眺めてみましょう、

【Maxwell方程式:電磁現象の基本法則】

\[ {\rm div }\vec{D}( \vec{r},t )= \rho ( \vec{r},t ) \] \[ {\rm div }\vec{B}( \vec{r},t )= 0 \] \[ {\rm rot}\vec{E}( \vec{r},t )=   - \frac{\partial \vec{B} (\vec{r},t) } {\partial t} \] \[ {\rm rot}\vec{H}( \vec{r},t )=   \vec{J} (\vec{r},t)   + \frac{\partial \vec{D} (\vec{r},t) } {\partial t} \] 

4番目の式の最後の項を除いて、全て説明しました。ところで、ファラデーのアイデアに基づき、マックスウェルが電磁気学の基本法則をまとめたとき、「それまでの実験事実に基づく電磁法則」数式化すると、 \[ {\rm div }\vec{D}( \vec{r},t )= \rho ( \vec{r},t ) \] \[ {\rm div }\vec{B}( \vec{r},t )= 0 \] \[ {\rm rot}\vec{E}( \vec{r},t )=   - \frac{\partial \vec{B} (\vec{r},t) } {\partial t} \] \[ {\rm rot}\vec{H}( \vec{r},t )=   \vec{J} (\vec{r},t)  \] となりました。つまり実験事実に基づく電磁法則の数式化では、4番目の式の最後の項はありませんでした。マックスウェルはまとめた式を元に、(計算で)さまざまな考察をします。

特に、1番目の法則と4番目の法則を連立させて、電荷密度と電流密度の関係についてまとめてみると、 \[  \frac{\partial \rho }{\partial t} + {\rm div} \vec{J} ={\rm div} \left( \frac{\partial \vec{D}}{\partial t}\right) \] という式が得られました。左辺は「電荷の時間的増加+電流の湧き出し」であり、これが0であると、「電荷が減れば、ちょうどその分電流として他に流れ出ている」意味になります。ところがどうしてもこの右辺が残るため、「電荷は移動するだだけでなく生み出すことができる」という結果になってしまします。これは経験的に知られている「電荷保存の法則」と矛盾します。摩擦や電池で電気を「作る」ことができますが、この意味は「電荷を移動することができる」であり、たとえば+だけの電荷を生み出しているわけではありません。移動しているだけだから、+と同量のーができます。+だけの電気やーだけの電気を生み出すことは、経験上できません。これを「電荷保存の法則」と呼びます。そこでマックスウェルは、「現実に電荷保存が成り立つなら、4番目の方程式の右辺は\(  \vec{J} \) ではなく、\(  \vec{J} +  \frac{\partial \vec{D} } {\partial t} \) 」なんじゃないか?」と考えました。もしそうなら、 \[  \frac{\partial \rho }{\partial t} + {\rm div} \vec{J} = 0 \]となり、電荷保存の法則が満たされます。そこで\(  \frac{\partial \vec{D} } {\partial t} \)の項を4番目の式に入れました(なお、マックスウェルの最初の論文を読むと、このことについてあまる詳しく触れておらず、「当然」のような記述でこの項が記載されています(^^; 実験事実以外に、自然法則に「当然」なんてありませんから、要注意です(^^;;)。この項は「電束密度の時間変化は、電流と同じ働きをする(磁場の渦を生み出す)」ことを意味しますので、その後「変位電流」と呼ばれます。変位電流が本当に存在するのかどうか、マックスウェルの時代には直接実験する技術はありませんでした(現在の技術なら、直接測定することも可能です)。そこで、マックスウェルは「変位電流の項のために起こる、観測容易な物理現象は無いか?」を(数式の変形で)検討します。その結果変位電流の項を含むMaxwell方程式から、以下の方程式を導くことに成功します。 \[ \frac{ \partial^2}{ \partial t^2} \vec{E} = V^2  \Delta \vec{E}  \]\[ \frac{ \partial^2}{ \partial t^2} \vec{B} = V^2  \Delta \vec{B}  \]\[ V=\frac{1}{\sqrt{\varepsilon_0 \mu_0}} \]ここで\( \Delta=\nabla \cdot \nabla  =\frac{\partial^2 }{\partial x^2 }+\frac{\partial^2 }{\partial y^2 }+\frac{\partial^2 }{\partial z^2 } \)で、ラプラスの演算子と呼ばれます。

この式の形は「波動方程式」と呼ばれ、空間的な変化の様子が「そのままの形で、速さVで伝わる=波動」という解を持つ方程式です。つまり、速さ\(V\)で伝わる「電場や磁場の波動」が存在することになります。これを「電磁波」と呼びます。そしてその速度を、電磁法則から決まる真空誘電率と真空透磁率から計算すると... 約\( 3 \times 10^8 \rm [m/s]\)となります。この値は、当時知られていた「光の速度」と一致します。そのため、マックスウェルは「光は電磁波の一種であろう。光が存在することが、変位電流の項が存在する証拠になるだろう」と考えました。現在では、電磁波の存在も、光が電磁波の一種であることも、また変位電流の項を検出する直接実験もできますし、それらはすべて正しいことが確認されています。

このようにして最終的に、(前回最初に紹介した法則群)が「電磁現象の基本法則」として確立しました。コピペして、若干の補足説明を加え、もう一度提示します。


【電場\(E\) と磁束密度\(B\)の定義(ローレンツの力の式)】

\[ \vec{F}_A ( t ) =  q_{A} (  \vec{E}( \vec{r}_A,t ) +   \vec{  \upsilon} _A (t)   \times \vec{B} (\vec{r}_A,t ) ) \]「電場\(E\)」は、物体Aに働く電気力を、物体Aの電荷量(電気の量の意味です)で割ったものと「定義」する。この量は物体Aの電荷量とは無関係になる。同様に磁場と比例する「磁束密度(磁力線に対応するもの)」が、磁気力からこの式で定義される。


【電束密度\(D\) と磁場\(H\)の定義】

電磁現象を記述する「単位系(SI単位系)の関係」で、電束密度\(D\)と磁場\(H\)を \[ \vec{D}( \vec{r},t )= \varepsilon_0 \vec{E}( \vec{r},t ) \] \[ \vec{B}( \vec{r},t )= \mu_0 \vec{H}( \vec{r},t ) \]のように定義して、導入します。なお、\( \mu_0  \)は真空透磁率と呼ばれ、値は \( 1.26 \times 10^{-6} \rm[NA^{-2}]\)、\( \varepsilon_0  \)は真空誘電率と呼ばれ、値は \( 8.85 \times 10^{-12} \rm[ Fm^{-1}]\)です。定数を掛けて単位を変えただけなので、電場\(E\) と電束密度\(D\)は同じようなもの、磁場\(H\) と磁束密度\(B\)は同じようなもの、と捉えてください。


【Maxwell方程式:電磁現象の基本法則】

\[ {\rm div }\vec{D}( \vec{r},t )= \rho ( \vec{r},t ) \]

電荷から電束密度(電気力線)が湧き出す(ガウスの法則)。

 \[ {\rm div }\vec{B}( \vec{r},t )= 0 \]

電荷に相当する磁荷は存在しない(N極S極は「見かけ」の概念)。

 \[ {\rm rot}\vec{E}( \vec{r},t )=   - \frac{\partial \vec{B} (\vec{r},t) } {\partial t} \]

磁束密度の時間変化は電場の渦を生む(電磁誘導の法則)。

 \[ {\rm rot}\vec{H}( \vec{r},t )=   \vec{J} (\vec{r},t)   + \frac{\partial \vec{D} (\vec{r},t) } {\partial t} \]

電流(密度)は、電場の渦を生む(アンペールの法則)。なお電束密度の時間変化も電流と同じ働きをし(変位電流)、電場の渦を生む。

ここで、電荷密度\(\rho ( \vec{r},t )\)は「ある場所に単位体積あたりどのくらいの電荷があるかを表す量」で、電流密度\(\vec{J} ( \vec{r},t )\)は、ある場所に単位体積あたりどのくらいの「電荷の流れ」があるかを表す量であり、Maxwell方程式は、電荷密度\(\rho ( \vec{r},t )\)と、電流密度\(\vec{J} (\vec{r},t)\)から、電場(電束密度)、磁場(磁束密度))を求める法則。



8-4. 電磁力と物質の構造

 マックスウェルの時代には「物質のしくみ」が良く分かっていませんでしたが、20世紀初め、「全てのものは原子からできている」ことが明らかになります。原子は+の電荷をもつ原子核とーの電荷をもつ電子からできており、原子核と電子は「電気力で」引き合って結ばれています。また複数の原子がある場合、「原子核(+)ー電子(ー)ー原子核(+)」と言う形に並ぶことにより「電気力で2つの原子が結合する」ことも分かってきました(近い方が電気力強いため、規則正しく交互に並ぶことにより全体が結合する)。これが「化学結合」です。つまり、「分子が出来たり、結晶ができるのは電気力のため」です。電気力は化学結合の原因ですからたとえば「ダイヤモンド(炭素の単結晶)を引っ張っても、ちぎれないようにしている力、が電気力」という意味ですから、むちゃくちゃ「強い」です。原子核と電子の間に働く万有引力に比べると... およそ\(10^{40}\)倍程度強いです。

なお、このようにしてできた「物質」には、+の電荷とーの電荷が「ほぼ正確に同量ずつ」入っています。そのため、このようにしてできた物質に+の電荷を近づけても「ぼぼ正確に、+の電荷からの斥力とーの電荷からの引力」が打ち消しあい「ほとんど力が働いていないように見える」という現象が起きます。これが「日常的な現象において、「強い」電気力が、ほとんど感じられない」理由です。それに対して万有引力は引力だけで打ち消す斥力がありませんので、沢山の原子核や電子が集まると(星と言えるくらいの量集まると)、かなり大きな引力が働きますので、日常的な現象(落下)で感じられます。

なお筋肉も「筋繊維は分子でできており、分子同士がイオン化したりして(+やーの電荷の偏りが部分的に生じ)それらが引き合うために滑り現象を起こす」ために縮みますので、筋肉が縮む力も、元は電気力、と言えます。なお、神経を伝わるのも「電気信号」ですから、そういう意味では生物は精巧な「電気仕掛けの機械みたいなもの」と言えるかもしれません。

もちろん、ばねを伸ばしたら元に戻る力が働くのも、元は「規則正しく原子が並び、結晶を作っているから、ゆがみが生じたときに元に戻ろうとするから」ですから、その結晶を作るように原子を繋ぎとめている力が電気力ですから、これも元は電気力と言えます。


8-5.古典物理学の基本法則とラプラスのデーモン

ニュートンの運動方程式、万有引力法則、Maxwell方程式などを並べてみると、「これで1つの閉じた方程式群」となります。閉じた方程式群とは、「未知量と方程式の本数が一致しており、これだけで(初期条件があれば)完全に解くことが可能であり、解は1通りに決まる」という意味です。つまり、「初期条件を与えれば、あとはこれらの方程式を解くことができれば、1通りに、未来を求めることができる」ということになります。これを「古典物理学」と呼んでいます(物理学の世界で「古典」とは19世紀までの物理学のことです)。

もしこの世の中が、質量と電荷をもつ小さな粒子(原子とか素粒子とか)の集まりであるなら、初期条件より、質量の分布や、電荷の分布や電流の分布が分かり、質量の分布が分かれば(万有引力の法則により)個々の粒子に働く万有引力が分かり、電荷の分布や電流の分布が分かれば(Maxwell方程式により)電場と磁束密度が分かり、電場と磁束密度が分かればそれぞれの粒子に働く電気力と磁気力が分かり、それぞれの粒子に働くすべての力(万有引力と電磁力)が分かれば、運動方程式により、全ての粒子がその後どのように動くかが決まり... つまり、粒子集団の運動が「全て、分かる」ことになります。つまり「未来は1通りに決まっており、もし初期条件を知っており十分な計算能力を持つ魔物(デーモン)がいたら、人の運命や世界の未来を全て見通せる」ということになります。この話を「ラプラスのデーモン」と呼んでいます(ラプラスはナポレオンに「神(という仮説)は必要ないのです」と答えたといわれる人です)。

皆さんは、この世界観をどう思いますか?(^^;  19世紀終わりごろの世界観であり、当時の思想にも大きな影響を与えました。

なお、現在の世界観では「原子の中身のような世界では、ニュートンの運動法則では不十分で「量子力学」を使うことが必要」ということが分かっていますので、この話がそのまま成り立つわけではありませんが、それでも「自然界は法則に基づいて変化している」なら「世界は法則に基づいて決まっている」ということにならないか? という意味では、今でも続いている疑問の1つです。

では次回は「沢山の粒子が集まったらどうなるか?」という問題へと、古典物理学の範囲内で進んでみます。これは「熱現象」の話になりますが、最初から熱が分子運動と分かっていたわけでなく、むしろ、熱とは何かわからないまま、熱現象をまとめ上げる「熱力学」が17世紀に誕生し、熱力学の3法則と呼ばれる「熱現象の基本法則」としてまとめられました。それが19世紀、天才ボルツマンのひらめきにより「粒子集団の運動として理解できるかも?」という方向で研究が進み、現在では「粒子集団の性質」として熱現象をとらえることができるようになってきました。そこでまず次回は「熱力学」の話、その次に「粒子集団の運動」としてとらえる見方を紹介していこうと思います。

では、今日は、このへんで終わります。