みなさん、「疑似相関」について、自分で調べて、いろいろ学んだようですね(^^) 調査・研究を進めていくときには「それが本当の相関か、疑似相関か」は、常に意識しておくと良いでしょう。特に「人間を相手にする」場合には、本当の相関の時もありますが、背景にある共通要因が隠れた「疑似相関」の可能性は結構あります(そして、それが疑似相関であることに気が付かないこともあります)。その可能性を吟味せずに安易に、「**というエビデンスがある」と思ってしまったり、主張してしまったりすることが、(他人でも、自分でも)あるかもしれませんので、(学問としては)常に疑いの目をもって、探求することが大切です。なお、学問ではなく他人を騙す「仕事」(=似非科学)なら.... まあ世の中には疑似相関破りや似非科学破りの名人も大勢いますので、返り討ちに合わないよう、気を付けてください(^^;
なお、因果関係を「実験」によって明らかにしていくという手法は、17世紀初めごろにガリレイが発明した探求方法であり、それにより近代科学が始まり、その近代科学の手法により、現在までに、様々な法則(因果関係)等が明らかになりました。実験が出来ない問題の場合、観察や観測(調査)の手法で得たデータからでも、様々なデータ処理の手法により、実験に相当する(因果関係に関する)情報得られるようになったのは、つい最近のことです(2019,2021年のノーベル経済学賞がこの話ですから)。ですから、仮に観察や観測(調査)から得たデータに基づき最先端のデータサイエンスの手法を駆使したとしても、実験ができる分野では既に17世紀に行っていたような探求の段階といえるかもしれません。実験ができる分野でも、1回実験すれば必ず真実がわかるわけでなく、何回も同じ実験に再現性があるかとか(何回調査しても同じ結論が得られるか?に相当)、実験結果の解釈に誤りがないかどうかとか論理的に岡新部分が無いかとか(法則間の関係の探求や、体系全体の理解の論理関係に矛盾が無いかとか)、そのような追試や確認が常に行われ、何百年もそのような探求が積み重ねられて、より正しそうな真実が、常に更新されています。そして、分かればわかるほど、まだ不十分な理解だったいうことを、人類は身にしみて感じることの連続であり、それが「学問」(真実の探求)です。
なお、前回も紹介しましたが、今までの講義ノートを、https://www.u-kochi.ac.jp/~kazama/UOKLMS/sta/
に入れておきますので、ブックマークなどして、必要に応じて復習などにご利用ください。
なお、対面授業では、今まで学んだことの位置づけをもう一度復習し、皆さんからの質問などがあれば、答えていきたいと思います。
期末試験は、試験日に、いつもの教室(情報演習室)で行う予定ですが、PCは使わず、紙に解答を書いていただきます。対面を基本とする主な理由は、皆さんが、図や式なども自在に書けるからです。 ただし、moodeで必要な式や図も表現できる、あるいは式や図で表現する内容を言葉(日本語)で表現できる方(式や図を使うより長くなるでしょう)は、2/18対面の期末試験終了時刻に締め切りで、moodleでの答案提出も認めます。なお、moodeの管理は本学教務で行っていますが、システムの導入や管理がずさんなためトラブルが多発しています。本学で最もmoodleに詳しいと思われる五百蔵先生からは「スマートフォンやタブレット(iOS,Android)からの投稿で異常が起きやすい(Windows,Macでは異常が起きにくい)ようだ」「端末によらず、アクセスが多いとmoode にアクセス出来なくなることがある。その場合は時間をおいてアクセスすると良い」と聞いていますので、何らかのトラブルが起きた場合には、時間をおいて、WindowsかMacで、Chromium系のWebブラウザ(Edge, Chrome など)でアクセスしてみることをお勧めします。そのうえで、moodleに関する問題が残れば、管理権限を持つ教務事務に相談して対応してもらってください。 なお、遠隔・対面の、両方の答案が提出された場合には、対面での答案を優先します。何らかの理由で対面での期末試験に出席できない、あるいは出席できなそうな場合には、各自の判断で、遠隔で対応してください。 なお、対面の試験に出席できず、遠隔の提出期限までに遠隔でも対応できない急なトラブルなどがある場合には、追試験の手続きをしてください。 なお、期末試験のページは、来週には、公開します。
---- 期末試験問題 予告 ----出題の趣旨は、1)は、「皆さんが今までに学んだこと、新しく知ったこと、認識が変わったこと」などを、風間に教えてください、ということです。具体的には、たとえば「平均値に意味がある場合と無い場合」についてや、「サンプルから母集団の平均が推定できる原理や実際的な方法」や、その際の注意点とか...、「オッズやオッズ比」について、定義や計算の仕方や、サンプルから母集団のオッズを推定する方法とか... その他、いろいろなことがあったと思います。もちろん、細かいことまで全部書くならノート数ページ以上になると思いますので、そのうち、皆さんが「これが大切!」と思ったことに絞って、(15分~30分見直しなどの時間をとるとすれば)30分~45分程度で書ける内容にまとめて、書いてください(風間に教えてください)という意味です。 2) は、「何が出来るようになったのか?(どんな解析をする力を得たか)」を、具体的に、書いてください(風間に教えてください)という意味です。自力で何も見ずにできるようになったか、それとも、参考動画や参考資料見ながらできるようになったかも記載してもらえばありがたいですが、その違いはあまり重視しません。「必要となれば、**という統計処理ができる」ということをどれだけ「自覚している」かを問う問題です。名称やキーワードそれと「自分にはできるという自覚」があれば、細かいところはネット見たりしながら「自分で、実際の解析を行う」ことができますが、自覚していなければ、覚えておらず調べるためのキーワードも知らなければ、実際に解析を行うことができません。ですから、皆さんが「どのような統計解析なら、自分で出来る、と自覚しているか」を問う問題です。なお、解析して得られる数値として何を見ればよいか? そこから何が読み取れるか? どう判断に使えるか? 等は、2) に一緒に書いても良いですし、1) の方に書いても構いません。 何も見ずに、すらすら使えるようになった方は、その旨、どこかに書いておいてください。そこの事自体は直接的な得点とはしません(他の回答の内容を(私が)理解する上での1つの情報として間接的に参考にするかもしれません)が、それは、私から皆さんへのプレゼントを、皆さんが努力して受け取ったもの(具体的にすらすら統計処理をする「能力」を得た)、と思って「今後の、勉学や探求等に」利用してください。
ここまでついて来た皆さんは、多分全員、「大学生として十分な、初歩的な統計学の素養を持った」と思っていますので、後は、私が「**さんは大学生として必要な、統計学の初歩をしっかりと学んでおり、**という認識や**という能力を備えています(だから得点は**点です)」と自信を持って言えるような、「客観的資料」としての答案をいただけるとありがたいと思っています。答案に、皆さんが学んだ具体的な中身が何も記載されていなければ、皆さんの学んだことを評価できませんので、1時間の解答時間での内容としてふさわしい内容・分量で、解答してください。
授業はこれで終わりますが、皆さんは引き続き「この授業で得た、統計学的知見およびEZRで統計解析を行う技量」を様々な場面で活用していってください。「第一回目の授業の最初のこと」を繰り返して、この講義を終わりにします。
---------ところでみなさんは、本来、大学ってどういう場であるか教わっていますか? 本来大学は「自学自習」の場です。
自学自習とは、
1) 学ぶべき課題を自ら見つけ
2) 学ぶべき教材を自ら見つけ
3) 学ぶべき教材に従って(まねして)、自分の知識を増やし、経験を積み、
4) その知識や経験を「自分の力」として自覚する(=成長した新たな自分を自覚する
ことと思います。殆どの授業では2),3)だけです。そのことを意識してください。