「観光まちづくり論Ⅰ」(友原嘉彦准教授担当)の講義で、舞台プロデューサーの斎藤努氏に講演いただきました
2023年12月5日(火曜日)の「観光まちづくり論Ⅰ」(友原嘉彦准教授担当。履修登録者59名)では舞台プロデューサーの斎藤努氏に講演いただきました。
斎藤氏は1979年土佐市生まれ。土佐中・高、大阪府立大学農学部獣医学科を卒業され、これまで舞台プロデュースを中心に国内外でさまざまな芸術関連活動に携わってこられました。土佐市に帰郷された現在も「芸術のまち」づくりを主要なテーマとして本年10月の土佐市長選に立候補されるなど、意欲的な活動を続けられています。同科目ではアートをまちづくりの中心に据えることで、市民も豊かに生き、またおもしろく優秀な人々を呼び込む西欧のクリエイティブシティの仕掛けづくりについても学んできましたが、2023年の最終講にあたるこの日、土佐市に暮らされながらクリエイティブな人生を送られている斎藤氏にアートとまちづくりについて、自身の経験や気付きを基に論じていただきました。
学生のアートとまちづくりにかかる関心は近年高まっており、友原ゼミにおいても、愛知県岡崎市において活動するYouTuberグループの東海オンエアを事例として、彼らが感性を発揮して楽しみながら行なっているまちづくりの状況と意義について4年生がフィールドワークをしながら卒業論文の執筆に勤しんでいます。アートと一口に呼んでも内容はさまざまですが、この日は斎藤氏が視察されたオーストリア西部のブレゲンツにおける湖上音楽祭の事例が講演開始早々に示され、また、身近なところでは本県高岡郡日高村におけるアーティスト・イン・レジデンスの活動についても紹介されるなど、規模の小さな自治体でもアート活動を通して人々が交流できる、交流できることで自由でおもしろい発想が生まれるという土壌づくりについて学生は改めて学びました。
講演後には学生から質問が挙がり、自身がアート関連の活動をされるようになったきっかけについて答えていただきました。友原教員からの「市長になられた際の目玉の取り組み」にかかる質問には交通網の整備を挙げられました。このように、アートをまちづくりの中核に据えた取り組みや歩いて楽しいまちづくり・歩くことの補助としての公共交通といったご講演にかかる内容は本科目でもこれまでも学んできたことであり、それを学外で実務として取り組んでおられる斎藤氏から述べていただいたのは学生の理解の定着においても大いに意味のあることでした。本日の斎藤氏の講演内容も活かしながら、友原ゼミなどではこれからもアートを通した豊かなまちづくりにかかる調査研究を行なって参ります。