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活動報告

日本災害看護学会第18回年次大会の紹介

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第11弾は、日本災害看護学会第18回年次大会の紹介です。
今回、平成28年8月26日、27日の2日間、福岡県久留米市で開催された年次大会は、「災害看護の経験を紡ぎ叡智へ」というメインテーマでした。会長講演では、久留米大学医学部看護学科の学科長、三橋先生が「いのち」、「くらし」、「こころ」を守るために、看護の経験を織り籠むということはどのようなことなのか、くらしの健康危機管理となる感染症看護の歴史や意義についてのご講演がありました。
また、熊本出身の映画監督行定勲氏による特別講演は、「故郷くまもとを想う」と題し、地震被害を受ける前の熊本で撮影された短編映画「うつくしいひと」のチャリティ上映会にまつわる講演でした。自らも熊本市内で被災した行定監督は、震災後の熊本を目の当たりにし、上映をおこなうことへの葛藤があったそうです。しかし、映画をみた地元の方々から、震災前の熊本の風景を残してくれたことへの感謝を伝えられ、必ずこの映画のような姿を取り戻そうと、決意表明として上映していくことを心に誓ったそうです。これからも、映画人として復興の姿を追っていく役割を担うと語っておられる監督の講演は、これまでの経験を紡ぎ、伝承していく災害看護の使命にもつながるお話しでした。
学会企画のプログラムでは、学会員の南裕子先生を中心に、昨年から継続しておこなっている、「仙台防災枠組み2015-2030と看護の貢献を考える」が開催されました。今年に入り、WHOによる減災と健康に関するバンコク宣言や学術界からのG Scienceなど、各機関がコミットメントを発表しています。そこで、看護としてどのような貢献ができるか、提案とともに、会場の参加者と、災害看護研究・実践のあり方や、国際的なネットワークが果たす役割について意見交換が行われました。バンコク宣言では、減災に関することを、保健医療教育や訓練の中に組み込み、災害リスク削減に対する保健医療従事者の能力を強化することが方策として宣言されています。そこで、看護教育においては、災害看護の科目内だけでなく、各系統看護学のなかで、災害に関連する内容を教授していけるような看護教育のパラダイムシフトが求められていることが話し合われました。今後も、仙台防災枠組み2030年の目標、持続可能で健康な社会の実現に向け、看護の果たす役割について考える機会が継続的に行われる予定です。
組織ブースでは、高知県立大学も加わる大学院共同教育課程の、災害看護グローバルリーダー養成プログラム(DNGL)について、情報の発信や、活動紹介の展示が行われていました。
来年の第19回年次大会は、卒業生の鳥取看護大学学長 近田敬子氏が大会長をされます。倉吉市で開催されますので、ぜひ、奮ってご参加ください。