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活動報告

「看護部発信のせん妄ケア」


せん妄とは、身体的要因や薬剤が誘発した意識障害であり、患者、医療者にとって様々な課題を有している。院内の調査では看護師によってせん妄の捉えが異なること、せん妄症状の遷延が明らかとなった。これを受けて、看護師を含む医療者がせん妄ケア向上のために、知識を習得する必要があると考え、2017年看護部チームを発足し、活動を開始した。せん妄ケアは国立がん研究センター東病院が開発したDELTAプログラムを基盤とした。
 現在、チームメンバーは12名で、所属は外科、内科系病棟、ICU、手術部、入退院支援センター等である。せん妄ケアの目標は①リスクアセスメントを行い、せん妄を予防する②発症した場合早期に発見、対処し重症化を防ぐことであり、ハイリスク評価・症状の観察・発症時の対応が実践できるよう、チームで看護師教育に取り組んでいる。また、一部の診療科ではあるが、術前外来におけるハイリスク評価、リスク因子の調整(ベンゾジアゼピン系内服薬の切り替えなど)、入院病棟との情報共有、ハイリスク患者へのケアを行い、成果を得ている。看護部発信ではあったが、現在複数の診療科で医師、薬剤師との協働が進んでいる。今後この取り組みをさらに拡大し、せん妄ケアの充実を図りたい。
 
企画委員 原田千枝(高知大学医学部附属病院)