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> ホーム > お知らせ > 2020/1/15

高知県立大学「戦略的研究プロジェクト成果報告」講演・シンポジウム
「民話について考える-言語文化の視座から-」が行われました

 去る令和元年11月30日(土)の13:00から16:20まで、永国寺キャンパス教育研究棟A101教室において、高知県立大学「戦略的研究プロジェクト成果報告」講演・シンポジウム「民話について考える-言語文化の視座から-」が行われました。

 第1部において、『学校の怪談』で有名な民俗学者、国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授の常光徹先生が、「民話と俗信の世界」と題して、基調講演をされました。常光先生は、「民話の聞き取りに当たっては、『目で見えるモノ』『耳で聞くコトバ』『感覚に訴えるココロ』が関係し合って民話が伝承されている、という認識を持って話を聞いてほしい」と呼びかけられました。

 第2部において、文化学部の言語文化系の教員が、成果報告を行いました。
 報告1では、橋尾直和教授が「民話の記録・保存および活用-大豊町と物部町の事例-」と題して、長岡郡大豊町岩原と香美市物部町別府の民話の収集・記録と保存および活用の方法について解説しました。フィールドワークによって収集した蛇淵や不入山、七人ミサキなどの民話を挙げ、山間部では、今でも詳細な民話が伝承されていることを説きました。
 報告2では、井上次夫教授が「国語教育における民話」と題して、教科書で採用されている民話(日本国内・外国)の教材としての取り扱われ方、教育現場での新旧学指導要領に基づく民話の指導の在り方について解説しました。
 報告3では、田中裕也講師が「民話への認識の変容と戦後高知」と題して、民話(怪異)が合理化される過程や『月刊高知』における作家と高知との関わりについて「戦争、自身という連続した災害のなかで民話を用いて高知の読者に『笑い』を与えようとしていた姿勢が見られる」と解説しました。
 報告4では、オバーグ・アンドリュー准教授が、「浦上崩れと土佐」と題して、キリシタン進行を表明した長崎県浦上村の村民たちが、江戸幕府の指定によって大量に捕縛されて拷問を受けた「浦上四番崩れ」によって土佐に流刑されたキリシタンと江の口カトリック教会との関係について解説しました。
 報告5では、高西成介教授が「中国民話の世界-土佐の民話との比較から-」と題して、日本の「鍛冶屋のかかの話」と土佐の「鍛冶が媼(ばば)」に登場する「狼」と中国説話に登場する「狼」「虎」との関係、朝鮮における類話などについて解説しました。

 第3部において、登壇者全員によるパネルディスカッションを行いました。  冒頭、語源未詳とされてきた昔話の結びのことばである「昔まっこうさるまっこう、猿のつべはぎんがりこ」の語源が判明したことを発表しました。その後、ディスカッションの中で「災害と伝説は、密接に関わっているのではないか」「昔話には、教訓や先人の知恵が詰まっている」などの意見が交わされました。

 最後に、プロジェクト代表者の橋尾教授が、「民話を後世に伝えるため、語りの場を整備し、自分たちのも語り部になる、という意識が大切である」と締めくくりました。

 なお、講演・シンポジウムの様子は、12月1日付「読売新聞」朝刊に「民話の研究成果防災に生かそう-県大でシンポ-」、12月18日「高知新聞」朝刊に「土佐の民話の魅力語る-県立大 分野横断でシンポ-」と題して掲載されました。


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  • 「民話について考える」の会場風景
  • 講演・シンポ「民話について考える」の会場風景
  • 常光 徹先生のご講演
  • 常光 徹先生のご講演
  • 橋尾教授による報告1
  • 橋尾教授による報告1
  • 井上教授による報告2
  • 井上教授による報告2
  • 田中講師による報告3
  • 田中講師による報告3
  • オバーグ准教授による報告4
  • オバーグ准教授による報告4
  • 高西教授による報告5
  • 高西教授による報告5
  • パネルディスカッション風景その1
  • パネルディスカッション風景その1
  • パネルディスカッション風景その2
  • パネルディスカッション風景その2