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令和7年度 第2回社会的処方研究会を開催しました(2025年9月27日)
高知県立大学では、令和6年度より10年戦略「UoK Vision 2033」を始動し、戦略の一つとして「地域共生社会を支援する実践的な教育・研究」に取り組んでいます。その一環として、人と地域のつながりで人を元気にする取り組み「社会的処方」の実践と研究成果の地域還元を「リ・デザイン プロジェクト」の中核と位置付け、プロジェクトを発掘・検討・深化させるための様々な意見交換を行う場として「社会的処方研究会」を開催しています。
令和7年度2回目の開催となった今回は、本学が平成27年度から取り組む「退院支援事業」、「中山間地域等訪問看護師育成講座」について、10年間の事業をとおして得られた成果の共有を目的として、社会的処方研究会「高知県立大学が取り組む退院支援・訪問看護師育成の10年 ~「病院から地域へ」を支える多職種連携による仕組みづくりと人材育成~ 」を開催しました。当日の様子は高知新聞で取り上げていただきました。
「高知県立大学が取り組む退院支援・訪問看護師育成の10年 」
当日は医療・福祉関係者を含め、一般の方等51名の参加がありました。
前半は、本学看護学部・森下安子特任教授から「病院と地域がチームで退院を支える ~その人らしい生活の実現に向けて~ 」をテーマに、報告を行いました。
高齢化が進む高知県で入退院支援事業が開始された背景に触れながら、地域と病院の多職種が連携する「地域・病院多職種協働型」の入退院支援システムの構築に向けたこれまでの取り組みを説明しました。事業に参画した病院では、6年間継続的に取り組んだ結果、在宅復帰率が向上した事例を示すことで、本事業の取り組みの成果を説明しました。
後半は、本学看護学部・森下幸子准教授から「訪問看護がつなぐ暮らしと医療 地域に根ざす人材育成の挑戦~地域とともに創る訪問看護の未来像~」をテーマに、報告を行いました。高知県の訪問看護師不足という課題に対し、平成27年度から「中山間地域等訪問看護師育成講座」を開始しており、大学・行政が連携して行っている、実践力を備えた訪問看護師の育成について説明がされ、開講以来、延べ200名弱の修了者を輩出した実績についても報告されました。
さらに、本講座の修了者である 都築 あずさ 氏からは、家族と共に自宅で過ごした祖父との経験が訪問看護師を目指すきっかけとなったことや、本講座で培った経験、学んだことが自信につながり、地域でやりがいを持って活動している経験談が語られました。
参加者アンケートでは、「在宅を支える看護職や他職種との連携は、とても重要であると実感した」「私の勤務する地域では在宅独居の高齢者が多いのに看護スタッフは不足しており、訪問看護師さんへの期待はますます増えてくると思う。育成の必要性を強く感じます」「高知県の今後、その未来の課題について自分の立場や自分の今後についても考えるきっかけになった」などの感想をいただき、本学の取り組みを県民の皆様と共有する貴重な機会となりました。
高知県立大学は、今後も引き続き、地域と大学が協働して、県民の皆様それぞれの「その人らしい生活」の実現に向けた仕組みづくり、人材育成の取り組みを進めてまいります。
森下 安子 特任教授 森下 幸子 准教授
都築 あずさ 氏 会場の様子
オンデマンド配信
病院と地域がチームで退院を支える~その人らしい生活の実現に向けて~ (PDFファイル:4.62MB)
訪問看護がつなぐ暮らしと医療 地域に根ざす人材育成の挑戦 ~地域と共に創る訪問看護の未来像~ (PDFファイル:3.49MB)