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言語文化系の学び

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 近年、日本語の国際化が進み、非母語話者による日本文学の隆盛が見られるようなっています。また、非母語話者が母語話者を上回るという英語の国際語としての現状の下、通信網の急速な発達により学術、ビジネス、文化交流活動が組織的レベルからパーソナルなレベルでかつグローバルな広がりの中で活発に行われるようになってきています。このような状況の下、英語と日本語についての高い運用能力と文化背景を軸にした言語コミュニケーション力を養成する必要性が一層強く望まれるようになっています。
 こうした要請に応えるために、言語文化系では、文学の教育・研究と言語の教育・研究とをより密接に学ぶ科目群を配置し、言語の理解とそれを媒体とする文化現象の双方をバランスよく学べるようになっています。

英語学・国際文化領域

英語学・国際文化学領域

グローバル化がすすむなかで、英語を用いたコミュニケーションや、異なる文化を比較して考える能力はますます重要になっています。英語学領域では、英語学・言語学の理論の学修と実践的なトレーニングを通じて、高度な英語運用能力を養います。国際文化領域では、英米文学をはじめとする異文化の学修や、国際的な視点からの日本文化の再検討、国際関係の分析を通じて、グローバルな思考力と実践力を養成します。

講義紹介Ⅰ 比較言語研究

向井真樹子/言語学

比較言語研究

 この授業では、英語教員として必要とされている知識である言語の特徴をみていきます。日本語母語話者が間違えやすい英語の特徴をみることで、英語教員として英語のどのような特徴を教える必要があるのかを考えます。
 特に日本語と英語の特徴を比較・対照し分析していくことで、言語間の違いから起こりうる間違いの特徴を 、学生がグループで考えます。英語を学習する際に気を付ける点や、普段何気なく使っている日本語を意識することで、自分自身の言語能力を上げることを目的としています。

【受講生の声】

大学に入学してから日本語と日本語教育 に興味を持ち、この講義を受講しました。内容は主に日本語と英語の比較で、日本語話者と英語話者の考え方の違いや表現方法の違い、外国語としての日本語または英語の教え方を学ぶことができます。普段何気なく使用している日本語ですが、第二言語としての日本語を外国人に教える場合どう説明したらよいか、なぜ英語話者は日本語のこの発音を間違うのかなど、英語と比較することで気づくことも多く、非常に興味深いです。

受講生のMさん

 

講義紹介Ⅱ 国際日本学Ⅱ

Joel Joos/日本思想史・日本文化史

国際日本学Ⅱ

 近代日本の歴史は、外国人にも知ってほしい事件や人物たちに富んでいます。高知の近代史は坂本龍馬などが注目を集めやすいですが、この授業では維新後の出来事に焦点を絞り、明治10年代における市民の政治参加や男女同権など、権利と自由をかかげる運動に着目します。自由民権運動の中心地であった高知が生み出した活動家たちと、その思想について学び、それを英語で伝えることにも挑戦します。授業は、外国人にもわかりやすい冊子を作成することが目標の一つで、実践的活動の一面を含みます。

【受講生の声】

私が国際日本学Ⅱを受講している理由は、日本が世界でどのように思われているかを学ぶためです。 日本国内において、日本の歴史や文化についてあまり認知をされておらず、海外へ発信することができない人も多いようです。この講義では、日本の歴史と文化を学ぶことができや、さらに世界はそれらをどう捉えているかを知ることができるので、とても有意義です。

受講生のSさん

 

 

日本語学・日本文学領域

 自らを育んできた日本の文化を受容・継承し、多様な世界の文化の一つとして認識することは非常に重要です。中でも日本語学・日本文学領域の学修は、人類が築いてきた普遍的な叡智に学ぶという点で豊かな未来の創造に欠かせません。そこで、本領域では、日本語学・日本文学およびそれらと関わりの深い中国文学の学修を通じて、グローバル化社会の中で自らの立脚点をはっきりと自覚し、自己の存在をより確かなものにできるような感性や能力を養っていきます。

講義紹介 日本語学購読

橋尾直和/日本語学・方言学・社会言語学

日本語学購読テーマは、「応用社会言語学を習得しよう!!」です。「集団とことば」「世代とことば」「ジェンダーとことば」「言語接触」「移民とことば」「ことばの変異」「日本語の共通語化」「日本語の関西弁化」「地域言語」「都市言語」「ことばの習得」「コード選択と言語使用」などについて、社会言語学・文化言語学・認知言語学などの多角的アプローチによって考察します。これらの言語学の基礎知識を踏まえた上で、日本語と社会・文化・環境との関わりについて分析し、その知識を応用する能力、すなわち「応用社会言語学」の習得を目指します。

【受講生の声】

日本語学講読の講義で特に印象に残っているのは、「ら抜き言葉」です。これは可能動詞の「食べられる」等を「食べれる」のように言う表現のことで、一般的に広く使用されていますが、言葉の乱れだと考える人もいます。ら抜き言葉を用いると、同じ助動詞「れる」「られる」で表される自発・受身・尊敬と可能との区別が明確になります。つまり、ら抜き言葉は言葉の乱れではなく、合理的な言語変化であると考えることもできます。このように、身近な日本語を言語学的に見ることで、新たな側面を知り、日本語へのさらなる興味に繋がりました。

受講生のKさん


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