文化学部の学び方LEARM

地域文化創造系現代法文化・生活法文化領域

岩倉秀樹

岩倉秀樹IWAKURA, Hideki

役職
教授
専門分野
憲法学・アメリカ憲法研究
研究テーマ
表現の自由、選挙法
主な担当科目
文化と統治システム、情報化社会と法文化、現代法文化演習Ⅰ、現代法文化演習Ⅱ、生活法文化専門演習Ⅰ、生活法文化専門演習Ⅱ、文化と人権

MESSAGE

 法は、紛争を解決するルールです。社会の中で紛争が発生している場合、法を適用して必ず解決しなければなりませんが、法の意味内容をどのように理解してその紛争を解決すべきかについては、結論を異にする様々な考え方が成り立ちます。一般の人は、法律問題についてすぐ結論を知りたがりますが、法は存在しても、その法の意味内容の理解の仕方にはいくつもの考え方があり、どの考え方を採るかによって結論が違ってきます。もし結論が一義的に決まるのであれば、当事者が裁判まで起こして争うことはないでしょう。
 民法が市民と市民との間の紛争を解決するルールであるのに対し、憲法はもっぱら国や公共団体と市民との間の紛争を解決するルールであり、憲法学は、そのような憲法をめぐる紛争を解決するために憲法の規定の意味内容について妥当な考え方を探求する学問です。
 高校までは1つの正解を見つけるのが勉強でしたが、大学では1つの事柄についても種々の見解がありうることを意識したうえで学習してほしいと思っています。

菊池直人

菊池直人KIKUCHI, Naoto

役職
准教授
専門分野
商法(保険法・海商法)
研究テーマ
生命保険契約、国際海上物品運送法
主な担当科目
文化と権利、地域社会と法文化、生活と法文化、災害と法、
現代法文化演習Ⅰ、現代法文化演習Ⅱ、生活法文化専門演習Ⅰ、生活法文化専門演習Ⅱ

MESSAGE

 私が専門としているのは商法の中の保険法といわれる分野です。私たちは、実にさまざまな危険に晒されながら、日々の生活を送っています。生きていれば病気や怪我は避けられませんし、科学の発達した現代においても、地震や津波などの自然災害を完全に予測・防止することは不可能です。その他にも、交通事故や犯罪等、数え上げればキリがありませんが、このような危険について、私たちはどのような備えをすることができるでしょうか。
 危険をそのまま放置せず、分析し、対策することを危機管理(リスクマネジメント)といいます。危ないことをしない、危険を避けるということは最も基本で、最も重要なリスクマネジメントですが、危険を恐れるあまりにあらゆる行動を制限してしまうのでは、日常生活を送ることも困難になってしまいます。人類は、その歴史の中で、様々なリスクマネジメントの仕組みを考えてきましたが、「保険」もまた、この危機管理の一つです。この保険制度、特に、人の命に値段をつける(!)生命保険とは何なのかが、私の最も大きな研究テーマです。
 保険の歴史的背景や、類似の制度との比較などを通して、この不思議な保険制度とは何か、迫ってみたいと思います。

根岸忠

根岸忠NEGISHI, Tadashi

役職
准教授
専門分野
労働法・社会保障法
研究テーマ
介護労働者の労働条件保護、ワーク・ライフ・バランスに関する法的研究
主な担当科目
ワーク・ライフ・バランスと法、労働契約と法文化、社会保障と法文化、家族関係と法文化、現代法文化演習Ⅰ、現代法文化演習Ⅱ、生活法文化専門演習Ⅰ、生活法文化専門演習Ⅱ

MESSAGE

 介護労働者の労働条件保護、ワーク・ライフ・バランスといった、労働法と社会保障法の交錯領域について研究を行っています。人は誰しもなんらかの収入を得て暮らさなければならず、また、失業などで暮らしていくのが難しくなることがあり、そういった場合に役立つのが労働法と社会保障法です。
 日本と台湾の比較研究を行っていますが、台湾は戦後長らく独裁政権下でしたが、80年代後半に民主化され、労働法や社会保障法が整備されました。現在も立法を行う際には、ドイツやアメリカのほかに、わが国の法制度を参考にしています。日本は明治以降ヨーロッパ諸国やアメリカの制度を参考に法典整備を行いましたが、台湾だけでなく、アジア諸国で従前の法制度と西洋近代法とがどのように衝突し、また融合していったのかについても関心があります。
 授業では、各制度が有する文化的な背景もふまえて、暮らしの中で労働法と社会保障法がどうかかわるのかを伝えていきたいと思っています。

田中康代

田中康代TANAKA,Yasuyo

役職
講師
専門分野
刑事法、国際人権法
研究テーマ
精神障害者の強制入院
主な担当科目
文化と裁判、法学、現代人権論、文化学課題研究ゼミナール

MESSAGE

 国家は刑事法を用いて社会の秩序維持を図ります。刑法は「ある行為をしてはならない」もしくは「ある行為をせよ」という規範を市民に示すことによって市民の法益を守ります。そして、これらの規範に違反したと思われる人物を刑事訴訟法に規定された手続に従って、「捜査→逮捕→取調その他→公訴提起(起訴)→裁判→判決→有罪かつ実刑判決の場合の刑の執行」という過程を経て破られた秩序の回復を行います。このような規範や手続は秩序維持や秩序回復のために用いられるべきものですが、国家権力が濫用し、市民の人権を脅かすという事態が生じる可能性を持つものであることは歴史を振り返ると枚挙に暇がありません。そこで、刑事法の運用を行う国家権力とその運用を監視すべき市民には鋭い人権感覚が要請されます。人権を研究するに当たり、第二次世界大戦後、国際的な人権保障の枠組を無視することはできません。例えば、日本の制度やその運営を日本が批准する人権条約の実施機関である自由権規約人権委員会や女子差別撤廃委員会などで批判されたり、提言を受けたりすることはその一例です。わたしは近代的な人権を生み出したヨーロッパで多くの成果を上げているヨーロッパ人権条約を参考にしながら、日本の刑事司法の在り方を考えていこうとしています。
 社会的弱者をどのように処遇するのかはその国の人権水準を考えるうえで大変重要な指標です。ふとしたことがきっかけで精神障害者の処遇に関心を持つようになりました。最初は触法精神障害者の処遇のみに関心がありましたが、現在は自らの意思に沿わない入院を強いられている精神障害者について考えています。「精神障害者」は危険な存在でしょうか。そうだとは思われませんし、統計上もそのようなことを示してはいません。では、何十万人もの人々が入院を強制させられている現行制度は続行すべきでしょうか。そのようなことを考えています。

PAGE TOP