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大学生や社会人に求められる能力の一つに言語コミュニケーション能力があります。「話す」「書く」ことによって表現し、伝達する能力です。
日常生活の中で誤って聞かれたり読まれたりするのは、一つには受ける側の理解不足や不注意が原因ですが、他方では伝達する側の拙さ・不注意が原因の場合も多くあります。例えば、話し言葉ではあいまいな発音、かぼそい声、早口などですし、書き言葉ではあいまいな表現、読みにくい文字、誤字などが考えられます。しかし、実は、いずれも表現し伝達する側の、受ける側に対する配慮に欠ける「一方的な自己表現」が大きな原因であることを自覚しなければなりません。いくら自分では表現し伝達したつもりでも、結果として誤解され、伝達されなかった場合に困るのは、結局は伝達した側になるからです。
では、どのようにすれば正しく効果的に表現したり伝達したりする能力が身に付けられるのでしょうか。それは、表現し伝達するうえで持たなければならない精神、つまり「相手への配慮」の問題について認識することから始まります。
このようなことに興味のある皆さん、中学・高校の国語教員を目指す皆さん、その精神の問題と日本語表現との関係について本学で私と一緒に追究してみませんか。