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「手話言語を学び、聴覚障がい者を理解する」連続講座の第1回が開催されました


ページID:0037974 更新日:2025年7月25日更新 印刷ページ表示

 「手話言語を学び、聴覚障がい者を理解する」連続講座の第1回が、7月11日(金曜日)に開催されました。本講座は、手話言語を学び、聴覚障がい者のニーズを理解できる福祉専門職を目指してほしいとの想いから本年度初めて企画され、高知県の後援をいただき開催しました。
 第1回は、一般社団法人高知県聴覚障害者協会会長の竹島晴美氏に、「聴覚障害者について ~聴覚障害者の歴史や文化~」をテーマにご講演いただきました。また、本学看護学部卒業生であり、学生団体「UOK手話サークル」を立ち上げた、徳永旭氏(日本赤十字社 高知赤十字病院)が手話通訳者の一人を務めました。
 竹島会長は、昔は手話が言語であると認められなかった時代もあったが、今(令和7年7月9日現在)では全国600自治体が手話言語条例を制定しており、高知県も令和6年12月26日に高知県手話言語条例を制定、今年度6月には国内初の手話施策推進法が成立し、手話言語を学んだり使用するといった5つの権利等について定められたと話しました。
 聴覚障がい者は音声言語によるコミュニケーションが困難なだけでなく、音による状況把握や危機を感知することができず、東日本大震災では障がい者の死亡率が健康な人の2倍であり、その中でも聴覚障がい者の死亡率は身体の不自由な方に次いで2番目に高かったと説明しました。
 手話言語については、手の形や位置などに加えて表情で表現することが大事であり、コロナ禍の際にはマスクで表情が見えにくくなりとても困ったと話しました。また、手話言語は日本語と語順やテンポが異なると説明し、「おはようございます」や「こんにちは」という挨拶の手話の他に、「地震」「津波」「逃げる」という災害時に役立つ3つの手話を紹介し、ぜひ覚えてほしいと話しました。
 最後に、障がいを持って生まれたのは本人の責任ではない、困り事のない社会にするためにどのようなことができるか、ぜひ一人一人に考えてもらいたいと伝えました。
 受講した学生からは、「音声ばかりの今の社会のままでは、災害によって救える命が途絶えてしまいとてももどかしいし、改善していく必要があると思った」「自分が手話を学ぶことで、人の命を助けることに繋がるかもしれないと思うとこれから頑張りたいと思った」「竹島さんが表現される言葉から、手話ができる専門職の必要性や、有事の際に大切なのは、行動に移そうとする『人間の力』であることを学んだ。また、手話が長く禁止されていた時代があったことを全く知らなかったため、手話についてより詳しく学びたいと思った」といった感想が聞かれました。

講座開会 竹島会長講演 

手話通訳者 簡単な手話の実践