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社会福祉学部・介護コース1回生を対象とした授業で記憶障害をテーマとしたオンライン講義を実施しました
社会福祉学部1回生の授業紹介― 当事者の語りから学ぶ「記憶障害」と支援 ―
2026年4月28日に、社会福祉学部・介護コース1回生を対象とした授業において、記憶障害をテーマとしたオンライン講義を実施しました。
当日は、本学大学院在学中にくも膜下出血を発症し、重度の記憶障害を抱えながら修了された後、現在は作業療法士として活躍されている吉良正輝氏を講師としてお招きしました。また、その指導教員である横井輝夫・高知県立大学名誉教授にもご参加いただきました。
講義タイトルは「記憶障害者である私のニーズと私の使命」。吉良氏は、自身の経験をもとに、記憶障害の特性や日常生活における困難、それを乗り越えていく過程について語られました。
講義では、過去を思い出す記憶よりも、未来に行うべきことをタイミングよく思い出す「展望的記憶」が障害された場合、日常生活への支障が大きいことが、具体例とともに示されました。

また、吉良氏が実際に生活されている部屋の様子や、スマートフォン・スマートウォッチ等を活用した生活上の工夫も紹介されました。特に、「思い出せないこと」ではなく「気づけないこと」が生活上の困難につながるという視点は、学生にとって新たな気づきとなりました。

さらに、行動のタイミングに「気づく」仕組みを生活に取り入れることで、生活や仕事を再構築してきた実践が紹介されました。横井名誉教授からは、こうした実践をどのように研究として位置づけてきたかについて補足があり、研究と実践のつながりが示されました。
研究と教育をつなぐ学び
吉良氏の実践と研究成果については、本学公式noteでも紹介されています。
当事者としての経験を起点に、「記憶障害者にとって必要なのは“思い出すこと”ではなく“気づくこと”である」という視点は、研究としても実践としても重要な示唆を含んでいます。
▶ 記事はこちら
https://note.com/uok_official/n/n41723a9d39c7
本授業では、こうした研究知見を教育の場に取り入れることで、「研究」と「実践」を往還する学びが実現されています。
生活支援と人生支援へ
本授業を通して学生たちは、障害を「機能の問題」として捉えるだけでなく、「その人の生活や人生にどのような影響を及ぼすのか」という視点から考える重要性を学びました。
福祉専門職には、人を可能性に開かれた存在として捉え、その人の人生を支える視点が求められます。吉良氏の語りは、まさに「生活支援」とともに「人生支援」へと視野を広げる契機となりました。
本学部の学びの特徴
本学部では、当事者の語りや実践、研究成果を教育に取り入れながら、多角的に人間生活を理解する学びを重視しています。
今回の授業は、研究と教育、そして当事者の経験が交差する中で、学生一人ひとりが「支援とは何か」を主体的に問い直す機会となりました。

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