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| 職位 | 教授 | |
| 役職 | ||
| 所属 | 文化学部 文化学科、大学院 人間生活学研究科 | |
| 教員紹介 | ![]() |
Q1 文化学部はどのような人に向いていると思いますか。 ちょっとした言葉や文化的事象に、ふと立ち止まってしまう人に向いている場所だと思います。文学でも映画でも音楽でもいい。理由をうまく説明できなくても、なぜか気になる。気がつくと、またそこに戻っている。 もう一つは、世界に対してどこか居心地の悪さを感じている人。社会の仕組みや歴史の不均衡、ジェンダーや権力の関係など、さまざまな違和感が重なり、ときにぶつかり合う。そこから新しい問いが立ち上がってきます。 わたし自身は、アメリカや日本との関係を考えながら研究してきました。植民地主義の歴史や、それに抗う人びとの声を辿ることで、いま当然のように見える社会の形も、多くの力関係のなかから形成されてきたことがわかります。 当たり前に見えるものほど、少し立ち止まって眺めてみる。文化を学ぶとは、距離を取りながら、それでも世界との関わりを手放さないことだと思っています。
Q2 文化学部ではどのようなことが学べますか。 わたし自身の研究の出発点には文学があります。詩や小説は虚構のように見えるかもしれませんが、それらに潜在する想像力が現実の見え方を少し変えてくれる。 いまは、コロニアリズム/ポストコロニアリズム、脱植民地化の過程で生まれる市民性や市民的抵抗、そしてジェンダーの問題を研究しています。アメリカの文学や思想を手がかりに、植民地主義や民主主義の問題を考えながら、私たちが生きる社会のかたちを読み直していく研究です。 遠い場所の物語や歴史に触れているはずなのに、気づけば、いま自分が生きている社会の輪郭が、少し違って見えてくる。遠くを見ることが、足もとを見直すことにつながる。文学や思想には、そうした往復の運動があります。
Q3 受験生へのメッセージをお願いします。 いま世界では、戦争や災害が頻発し、SNSでは言葉が短く、反応も速くなっています。けれど、世界の問題はそれほど簡単には理解できません。だからこそ、ときには立ち止まって考える時間が必要。文学や思想、芸術や文化は、そのための場所です。 もし社会のどこかに小さな違和を感じているなら、それを大切にしてください。そこから生まれてくる問いを、少しずつ言葉にしてみてください。急がなくていい。けれど、考えることはやめない。 いつか本学の教室で、あるいは書物を介して、私たちの言葉が響き合う時間をつくれることを愉しみにしています。 |
| 学位 | 博士(芸術文化学)(大阪芸術大学、2011年) 修士(芸術文化学)(大阪芸術大学、2002年) 学士(文学)(早稲田大学、1999年) |
| 学歴・職歴 |
【学歴】 【職歴】 |
| 専門分野 | アメリカの思想と文学、比較思想、比較文学、比較芸術 |
| 所属学会 |
日本アメリカ文学会 |
・コロニアリズム/ポストコロニアリズム
・脱植民地化におけるシティズンシップと市民的抵抗
・ジェンダー・スタディーズ
「アメリカ文学の父」と評されながら、人間の弱さ/脆さを徹底して見つめたS. アンダーソン、「超越主義(Transcendentalism)」を提唱し、自ら「アメリカの学者」となったR. W. エマソンや、自らの存在を賭して「市民的抵抗」を実践したH. D. ソロー、エマソンの思想を「国民的詩人」として表現したW. ホイットマンへの関心を起点に、自他の関係性やケアの研究、翻訳を始めました。
現在は以下の1-5の問題をアメリカにまつわる思想・文学的な観点から考察しつつ、それらを表現するのに相応しい様式の創出を試みています。
1.この世界にはなぜ不条理な痛苦が存在するのか
2.そうした苦境がいかに社会構造化されているのか
3.いかにしてそれらの窮境から脱却しうるか
4.逃れえない痛苦とどのように共生しうるか
5.3と4とのあいだに横たわる埋めがたい溝をどう見きわめるか
以下の1-3の問題を、アメリカの思想や文芸の観点から共考することが可能です
(最近は土佐の文人・思想家たちへの関心がますます強まっています)。
1.国家/共同体/個人および人為的なカテゴリー間における支配/被支配の構造
2.人権の回復や「自由」の獲得における市民の役割および不服従の手段と意義
3.ジェンダーにまつわる差別と抵抗運動
植民地主義、市民的抵抗、自他、差別、非人間化、アイデンティティ、声、相互扶助、アナキズム、表現、ケア
しかしながら、以下への視座を養うことが人文学の務めだと考えています。
1.SDGsがどのようないきさつで、いかなる人物や組織によって、いまの枠組みに収められたのか。
2.実際に効果が生じている分野と、まったく奏功していない領域は、どこにあるのか。
3.SDGsでは変えようのない「悲劇」はどこに潜在するのか。また、それを回避するにはどうすればよいのか。
【論文】
・「書評:未完の共和国、殺さない想像力」(新田啓子『セキュリティの共和国――戦略文化とアメリカ文学』講談社、2025) 『群像』 80(10)、講談社、 pp. 588-589(2025年9月5日)
・「解説:響きあう声、断絶する言葉――『トピーカ・スクール』から広がる波紋」ベン・ラーナー『トピーカ・スクール』川野太郎訳、明庭社 pp. 361-377(2025年7月28日)
・「あなたがいまここにいないから、わたしはどこにでもいく」『ゲンロン』18、ゲンロン、 pp. 104-107(2025年5月10日)
・「本の名刺:『ぼくらの「アメリカ論」』 」、『群像』 80(1)、講談社、pp. 258-260(2024年12月6日)
・「仔猫も家も大学も」、『群像』 79(10)、講談社、 pp. 273-275(2024年9月6日)
・「今日を生きるおまじない」、『ユリイカ』 56(9)、青土社、pp. 63-73 (2024年7月31日)
・「散歩する詩人たち」、『ユリイカ』 56(7)、青土社、pp. 137-148(2024年5月27日)
・「解説:ヘイトの時代を生きた「立体的人物」たち 」、ビル・ブライソン『アメリカを変えた夏 1927年』伊藤真訳、白水社、pp. 583-587 (2024年8月30日)
・「書評:革命の始源(佐峰存『雲の名前』) 」、『現代詩手帖 』67(1)、思潮社、p. 129( 2024年1月)
・「シンポジウムの重さは測れるか?――Smokeを手がかりに」、『地域創造学研究(奈良県立大学研究季報-34-2)』、pp. 50-54 (2023年10月31日)
・「民主主義の種火――フレデリック・ワイズマン『ボストン市庁舎』をアメリカ思想から読む」、『人文×社会』第8号、
pp. 229-243 (2022年)
※ 2022年以降の業績のみを記載
(2020年以降)
・共著『ぼくらの「アメリカ論」』 、青木真兵/光嶋裕介/白岩英樹、夕書房、京都( 2024年10月23日)
・単著『講義 アメリカの思想と文学――分断を乗り越える「声」を聴く』、白水社、東京(2023年)
・分担執筆『Clinical Scenes』、Cengage Learning、東京-Boston, U. S. (2020年)
・単訳:キャスリーン・マシューズ、アリソン・デクスター、『祝福の種:新しい時代の創世神話』、作品社、東京(2020年)
※ 2017年以降の著書のみを記載
・2025年3月:第34回(2024年)高知出版学術賞 特別賞, 『ぼくらの「アメリカ論」』夕書房, 公益財団法人高知市文化振興事業団 (青木真兵, 光嶋裕介, 白岩英樹)
・2019年3月:平成30年度 学生が選ぶグッドティーチング賞(国際医療福祉大学)
・2016年3月:平成27年度 学生が選ぶグッドティーチング賞(国際医療福祉大学)
・2025年9月「ケアと読書と当事者と」第4回「はずして、つくって、やぶって、かいて ~永国寺はらっぱフェス~」(青木海青子, 白岩英樹)於 高知県立大学
・2025年8月:ベン・ラーナー『トピーカ・スクール』川野太郎訳(明庭社)刊行記念トークイベント(家田真也, 川野太郎, 白岩英樹)ベン・ラーナー『トピーカ・スクール』川野太郎訳(明庭社)刊行記念トークイベント(於 高知市・本屋「文室」)
・2025年7月「大国アメリカの内なる「小国」精神のゆくえ——ラディカリズムと土佐の民権を手がかりに」「小さな社会から構想する平和の可能性」第6回セミナー(於 東京大学東アジア藝文書院)
・2025年4月「ぼくらの「アメリカ論」のゆくえ」高知出版学術賞(特別賞)受賞記念トークイベント(青木真兵, 光嶋裕介, 白岩英樹)於 京都市・夕書房
・2025年1月 『ぼくらの「アメリカ論」』(夕書房)刊行記念:僕らにとって「アメリカ」とはなんなのか? (白岩英樹, 光嶋裕介, 青木真兵, 平川克美)於 東京・隣町珈琲
・2024年11月 高大連携事業:高知県立清水高等学校「人間はなぜ生きるのか 」
・2024年10月 『ぼくらの「アメリカ論」』(夕書房)刊行記念トークイベント:「『ぼくらの「アメリカ論」』をめぐって 」青木真兵, 光嶋裕介, 白岩英樹, 高松夕佳(於 南国市:食事と図書 雨風食堂)
・2024年8月 高知近代史研究会-第118回研究会:講演「土佐の民権、米国の「革命」 」於 高知近代史研究会・高知市立自由民権記念館
・2023年12月 夜學2023:本山町・高知県立大学 公開講座「人間はなぜ生きるのか」
・2023年12月 高知工科大学 理工学群「理工学のフロンティア」講演「異端精神の系譜――土佐からアメリカへ」
・2023年10月 高知市民の大学「アナキズムを問い直す――土佐からアメリカへ」
・2023年 7月 高大連携事業:土佐中学校「われわれはなぜ「読む」のか、「学ぶ」のか」
・2023年 5月 高知 蔦屋書店 × NPO地域文化計画 トークイベント 「声」と「土着」をめぐって(『講義 アメリカの思想と文学』出版記念 対談:白岩英樹 × 青木真兵)
・2022年10月 高大連携事業:高知県立春野高等学校「われわれはなぜ「読む」のか、 「学ぶ」のか?」
・2022年 5月 高知 蔦屋書店 × NPO地域文化計画 トークイベント 「アメリカ思想から読む『ボストン市庁舎』」
・2021年11月 高大連携事業:高知県立高知国際中学校「『自分自身』の探し方――ポートレート写真に見るアイデンティティ」
・2021年 8月 教員免許状更新講習(英語)
・2021年 5月 夜學2021:本山町・高知県立大学 公開講座「われわれはなぜ「読む」のか、 「学ぶ」のか?」
・2020年10月 高大連携事業:高知県立安芸高等学校「コロナの時代に大学で学ぶこと:文化学的観点から」
※ 2020年以降のみを記載