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本学の看護学部では、多彩な国家試験受験資格が取得できます。保健師は人数制限のある選択制をとっている大学も多い中、本学では助産コース(年間8名程度)を除く全員の学生が保健師の国家試験受験資格を得ることができます。
当然ながら毎年2月に行われる国家試験に合格してはじめて看護師免許などが交付されます。看護学部では、1回生の授業の中から国家試験を想定した問題を解いていったり、3回生からは本格的な国家試験対策を始め、4回生では授業とは別に国家試験対策を行い、4年間を通して、試験対策を行っています。このため、各資格ともに全国平均を大きく上回る合格率となっています。
また、上記の資格以外に養護教諭1種免許も希望すれば取得することができます(最大20名まで)。
さらに、卒業時の到達目標であるディプロマポリシーに基づき、学生が目指す将来像に向けて確実に自分の能力を向上できる履修モデルを活用しています。
高知県立大学看護学部で取得できる免許・資格
*1 選択制の資格や免許を同時に取得することはできません。
定員は最大8名です。3年次9月に選考試験を実施し、履修者を決定します。
なお、助産師を選択する学生は、保健師国家試験受験資格を取得することはできません。
*2 養護実習を履修できるのは、最大20名です。希望者が20名を超えた場合は選抜となります。
(今まで希望者は20名以内で、選抜を行ったことはありません。)
学生の声VOICE
国家試験対策の補講があり、合格までしっかりサポートしてくれました。私は、どちらかというと自分でコツコツ勉強するのが苦手な方なので、先生の方から勉強のペースメークをしてくれて助かりました。
香川県出身
保健師コースを選択制にしているところもありますが、助産コース以外の人は全員取得できるのがとてもよかった。はじめは看護師で就職するつもりでしたが、実習に行ってみて保健師になりたいと思うようになりました。保健師が選択制だと進路の選択ができなかったと思います。
宮崎県出身
授業を受ける中で、看護学のベースを持った養護教諭の必要性を強く感じました。大学進学時は、教育学部と迷った経緯がありますが、お勧めです。
徳島県出身
本学看護学部では、実習場は高知市を中心に、近接した地域にあり、原則的に実習のために宿泊が必要になることはありません。さらに約7名に1人の割合で、実習グループごとに担当の教員が常に実習場にいて学生さんをサポートしています。
臨地実習では、何かと心身の疲労がたまりやすいものですが、これが遠い実習場に行かなければならないと、さらに負担は、増えるかもしれません。また、実習施設が遠隔地にあり、実習のために宿泊が必要な場合は、経済的な負担が大きいこともありますが、本学ではこの心配はありません。
本学は附属病院がありませんが、隣には、包括的連携協定を結んでいる高知医療センターがあり、開学以来約70年の間に培われた信頼関係と実習先に勤務する卒業生の尽力などもあり、非常に恵まれた実習環境を病院だけでなく、保健師や学校保健の分野でも有しています。
※選択実習では、宿泊が必要な実習施設もあります。
本学では、様々な「教え方の工夫」を行っています。例えば、技術を学ぶ演習では、学生5から6名に対し1名の教員がついて細やかな指導を行っています。
また病院実習には、各グループに必ず1人教員が常時滞在して指導を行っています。
さらに、毎年3月に教員同士で、教え方の工夫を発表し合い、教員の教育力を高められるよう研鑽しています。
学生の声VOICE 県外の看護系大学に通う友達は、実習のためにアパートを借りたと聞きました。経済的にも厳しいだろうなと思います。家に帰るとほっとして、頑張れました。 大分県出身
実習施設には、先輩達もたくさん就職されていて、自分が働くイメージができました。先生と看護師さんの仲が良くて、実習もやりやすかったです。 沖縄県出身
学内での演習がとても工夫されていて、実習に役立ちました。シミュレーターや模擬患者さんに対する演習は、臨場感があってとても印象に残っています。授業や演習で使った資料は、就職してからも使っています。 高知県出身
本学は、高知県・高知市病院企業団立高知医療センターや土佐市などの自治体と包括的連携を締結し、臨床と研究分野の積極的な交流を図っています。
この中で、臨床の医師や看護師等が学部の授業を担当していますので、看護に必要な医学的知識はもちろん、最新の看護実践を学ぶことができます。
高知県立大学が行っている立志社中プロジェクトに看護学部の学生さんも多数参加しています。
また、高知医療センターなどでの病院ボランティアや土佐市での小児健診などにも継続的に参加するなど、学外で学ぶ機会が豊富にあります。
特に高知県で看護学を学ぶ意義を考えたとき、高知県は、少子高齢化や人口減少問題が既に深刻化しつつあり、それに伴うさまざまな課題を抱えていることが挙げられます。これの課題は、高知県だけの問題ではなく、未来の日本の課題であり、高知県は未来の日本で起こる課題を先に体験しています。そしてこれらの課題は、我々看護や医療が担っていく課題です。このような意味で、高知県は、看護や医療の先進の課題に取り組んでいると言えます。看護を学ぶとき、高知県で学ぶことは、大きな意味があります。
学生の声VOICE 卒業後は、在宅看護に進むことにしました。1年目からは敷居が高い分野ですが、本学が在宅看護師の養成をしているのが後押しになりました。 高知県出身
立志社中は、授業や実習とは違う学びがあり、とてもやりがいがありました。特に決められたことや準備されたことをするのでなくて、自分たちで作り上げていったことが自信になりました。学生の頃に何をがんばってやったかを自信を持って言えます。 大阪府出身
学外に出て学ぶと、教室で学んだことを実体験として感じることができた。これからの日本で、看護の役割がすごく大事なのが4年間で強く実感できた。 兵庫県出身
看護学部学生が多く在籍する立志社中(過去の団体を含む)
いけいけサロン活動
サロンとは、住民の方が主役であり、やりたいことを行って住民同士のつながりを深める場所のことを言います。私たち「いけいけサロン活動」はサロンの場に池地域や池公民館、高知県立大学などの池地域全体を活用し、池地域の住民の方と交流を図っています。交流の場では、アットホームな雰囲気の中、参加者全員が、自分らしくいられる場所づくりを目指しています。
健援隊
健援隊の主な活動内容は、AED周知活動、心肺蘇生法の講習があります。フットサルの大会、中山間地域を活動場所として講習を行っています。他にも、よさこい祭り期間に熱中症について記載したうちわを演舞場付近で配布して、熱中症の危険性を伝えてきました。県民の皆様に興味をもって学んでもらいたいという思いから、医療・看護の知識や技術を基にして作ったコントなどでの活動を行っています。
イケあい
イケあい(地域災害学生ボランティアセンター)は、南海トラフ地震発生時、地域に信頼される学生ボランティアセンターを運営することを最終目標に、他学部の学生と一緒に、県内各地の地域のお祭りや運動会支援、女性や子どもにも配慮した避難所運営の検討、HUG(避難所運営ゲーム)やDIG(災害図上訓練)を使った防災啓発を行うなど楽しく活動しています。活動を通して地域住民の方々とのコミュニケーションを大切にし、日頃から「顔の見える関係創り」を心がけると同時に、全国から学生を招いて、災害が起きる前に高知県の良いところを見てもらうという「未災地ツアー」を開催し、全国の学生とも連携できる活動を行っています。
高知県立大学には、大学院があります。看護専門職の教育は、大学を卒業した後も続きます。
本学大学院の特徴として、博士前期課程、博士後期課程があり、それぞれにがん看護学、小児看護学などの領域があり、多様な選択肢があることが挙げられます。学部を卒業後にそのまま大学院に進学することも一度社会に出てから進学することも可能で、様々な背景を持つ同級生とディスカッションを繰り返す中で、広い見識を培うことが期待できます。 さらに高度実践看護師コースでは、毎年コンスタントに複数領域の修了生がCNS(専門看護師)の資格を取得しており、それぞれの領域のエキ
スパートとして全国の医療施設等で活躍しています。 また、看護部長などの看護管理者として活躍する認定看護管理者も輩出しています。 研究分野では、質的、量的、実験室的、介入研究などバリエーションに富んだ研究方法を取り入れています。博士前期課程では、入学生のほぼ全員が標準修業年限の2年で修了し、博士後期課程では毎年複数名に博士号が授与されており、安定した研究指導が行われています。
私たちのサポートは、卒業後も続きます。その一つに県内に就職した卒業生の技術教育支援があり、苦手な技術を自由に練習できる様に環境を整えています。医療機関によっては、技術習得の確認のために技術テストを1年目の看護師に実施している施設もあり、そのテスト前の自主練習にも卒業生が活用しています。 また、卒業生が入会できる看護学部同窓会や高知女子大学看護学会では世代や働く分野、地域を超えて、様々な交流が行えます。全国に同窓生がいることは、大きな強みで、就職時の相談をはじめ様々なサポートを受けることができます。
学生の声VOICE 大きな不安もありましたが、学部を卒業してから直接大学院に進みました。将来のキャリアプランを一緒に考えて下さる先生がたくさんおられて、進路選択が心強かったです。 高知県出身
県外出身ですが、大学院への進学を視野に入れて、高知県の病院に就職しました。同じキャンパスに大学院生がおられたので、具体的に話が聞け、長期的な視点からキャリアプランを考えることができました。 島根県出身
看護研究に関する授業は、3回生から本格的に始まり、4回生では1年を通してグループで研究を行います。4回生が行う研究は、実験を行ったり、患者さんにインタビューしたり、アンケート調査を行うなど様々な研究方法があります。看護学部ではテーマに合わせて、様々な研究方法を教授しています。また卒業研究は、多くのグループが卒業後に全国学会で研究発表し、看護研究の経験が病院での研究活動やキャリア形成に活用されています。
教員の研究者としての質については、研究者として重要な文部科学省など学外から研究の資金を獲得できるかどうかが研究者として重要な指標となります。この科学研究費助成事業(科研)の採択率が、看護学部では高い採択率となっています。さらに、学会等での活動をみてみると、日本看護科学学会をはじめとする全国規模の学会での大会長など日本の看護界を牽引するリーダーを複数の教員が務めています。
学生の声VOICE 高知県立大学の卒業生は、考える力があると病院管理者に言われ、嬉しくなりました。 京都府出身
卒論の研究を学会で発表しました。全国の研究者に混じって学会で発表するのはとても緊張しましたが、1年間しっかりしたレベルのことをやっていたんだと実感しました。 広島県出身
在学中にはあまり意識していなかったのですが、就職してから「あの先生に習ってたんだ」と言われると、すごい先生達に習ってたのだと実感しましたし、嬉しくなりました。 福岡県出身
看護学部では特にエルムズ大学(アメリカ)、ガジャマダ大学(インドネシア)、アンダラス大学(インドネシア)等との交流が盛んです。毎年協定校への短期・長期研修制度があり、参加することができます。
英語でのコミュニケーションを通じて、お互いの国の文化を理解することで、それぞれの国の生活を知ることができます。
看護学部には、異文化理解海外フィールドワークにくわえて、グローバルヘルス、看護と文化、災害と看護、看護セミナー(暮らしの場と看護)といったグローバル力獲得のための科目も設けられています。
グローバルな課題解決に取り組むための基礎的能力を獲得する科目と、協定校での研修を統合し、国内外を問わず人々の健康課題に対応できる力の獲得をめざしています。
エルムズ大学
ガジャマダ大学
アンダラス大学学生の本学での様子
アンダラス大学学生の本学での様子
学生の声VOICE
英語は苦手だけど、出来ないことは恥ずかしいことじゃない。出来なかったことが出来るようになると自分の世界はどんどんと広がって楽しくなる。何事も楽しんで挑戦していくと新しい発見があった。 高知県出身
将来は、青年海外協力隊なども興味があるので、授業の中でそのような話が聞けたことがとても参考になりました。 岡山県出身
約10日間、イタリア研修に参加しました。 ヴェネチアでは美しい街を散策したり、大学の授業に参加し、イタリアの学生と交流をしました。また、印象的であったのは、元修道院を改装した福祉施設の見学です。ヴェネチア唯一の病院であり、訪問介護の派遣や若者のいじめ、性の問題の相談を受けるなど様々な役割を担っている施設です。助産師や心理学者が相談を受けており、若者へのサポートの体制が見られました。研修では他にもフィレンツェやローマなど様々な都市を回り、異文化に触れることでそこに住む人の暮らしを感じることができ、自分の足でその土地へ赴くことで得られるものがあると学びました。この経験を今後の勉学に役立てていきたいと思います。 講義を受ける中で、内戦や自然災害により多くの難民が発生しているにもかかわらず政府の政策が不十分であるため、衛生環境が悪く、HIVやコレラ、エボラなどの感染症が増加しているなど、日本では起こらないようなことが起こっているとわかりました。また、その国の文化や政治、生活背景などを知り、物事を柔軟に考え活動することが大切だとわかりました。 山口県出身
ゲストスピーカーの先生の話しから、国、文化、環境、経済、様々な違いから、日本とコンゴ共和国、両国についての良い点、改善点が見つかったのではないかと思います。国を越えて、より多くの人が健やかに暮らしていくために看護職者として貢献できることについて意識をもち、社会に出ていきたいと思います。 長崎県出身