本文
第5回報告書
テーマ | 強い不安を抱く身寄りがない頭頸部がん患者への支援について |
---|---|
講師 | 田中 圭OCNS〔16期生〕(九州がんセンター) |
日時 | 2016年11月25日(金曜日)18時30分~20時30分 |
場所 | 高知県立大学 池キャンパス 看護学部棟C313 |
参加者 | アストラルの会メンバー7名、教員2名 |
<田中 圭OCNS>
第4回アストラルの会は、平成27年12月に専門看護師として認定を受けた田中圭OCNSに事例を提供して頂き、強い不安を抱く身寄りがない頭頸部がん患者への支援について検討しました。まず、不安が強く思うようにいかないと、暴力的な行動やコミュニケーションの拒否がみられる患者への支援について、ディスカッションを行いました。状況から、認知機能や精神疾患などの影響も考えられるため診断も必要であることや、意思決定能力を査定し、治療適応について再度検討していく必要性などの意見が出されました。また、患者の不安が強くなり、暴力的な行動に至るトリガーとなる要因を病棟看護師とともにアセスメントし、患者の体験を理解していくことで、看護師の負担も軽減するのではないか、という意見が出されました。
次に、患者に対して陰性感情を抱き、精神的負担も大きくなっている受け持ち看護師が、患者さんに関心を寄せ、精神的負担を感じることなくケアに参加できるために、どのような支援ができるか検討しました。OCNSの患者の理解や対応の仕方など、アセスメントやケアについて、カンファレンスができる場を設けることが大切ではないか、受け持ち看護師だけでなく、モデルとなる看護師にアプローチすることもできるのではないか、という意見が出されました。
<ディスカッションの様子>
最後に、田中OCNSより、「患者の不安を和らげるケアを継続しながら、認知機能や精神疾患の影響など、グレーゾーンの所をアセスメントし、多職種で情報を整理して明確にすることをチームで取り組んでいきたい」また、「病棟だけでは解決が難しいため、リハビリや緩和、栄養チームなどを巻き込んでケアについて話し合える場を設けたい」と、今後の方向性が語られました。ディスカッションを通して参加者は、丁寧にアセスメントして問題を明確化する役割や看護実践を可視化して伝える役割の重要性を再認識し、専門看護師としての立ち位置や役割を改めて考えることができました。