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がん看護学(令和3年度)

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ページID:0027382 更新日:2023年4月3日更新 印刷ページ表示

ケア検討会

令和3年度 第2回 質の高いがん看護実践を検討する会

2021年度テーマ:今後の治療や療養につなげる症状マネジメント
【第2回】がん患者の精神症状やスピリチュアルな苦痛症状のマネジメントに困難を感じた事例
【日時】2022年2月11日(金曜日)13時00分~15時00分
【開催方法】オンライン開催(Zoom)
【参加者】13名(護職者8名、大学院生2名、教員3名)


 第2回「質の高いがん看護実践を検討する会」も、第1回に続きオンラインで開催しました。がん看護に携わる病棟・外来看護師など多様な場で活躍する看護職8名の方々が参加されました。


 今回は、精神症状のなかでもせん妄が生じているがん患者さんの事例についてディスカッションを行いました。まず、Bさんのせん妄発症にはどのようなことが影響しているのか、について話し合いました。参加者からは、化学療法の延期によってBさんは病状が進行するのではないかという不安や苛立ちを抱いていることやコロナ禍による面会制限で家族と十分に話会えないこと、また不眠や骨転移による電解質異常・腫瘍熱等の様々な視点から影響を捉えた意見がありました。


 次に、Bさんのせん妄に対する薬物療法、非薬物的な看護ケアとしてどのようなことが考えられるだろうか、について話し合いました。薬物療法では、Bさんの苦痛のひとつである疼痛コントロールを図っていくことや、抗精神病薬について評価し、医師・薬剤師とともに協働して介入をする、等という意見がありました。また、非薬物的な看護ケアでは、安全な環境を提供すること(夜間の照明、家族の写真やテレビ電話ができるよう等)やアロママッサージ等のリラクゼーションを取り入れる、本人の思いを傾聴する等の様々な意見がありました。
 その後、事例についてのミニレクチャーが行われました。Bさんが抱えるトータルペインから、精神的苦痛やスピリチュアルペインがせん妄の促進因子となって、せん妄を発症するリスクが高く生じていたことを共有していきました。


 今年度のアンケート結果から、参加者は、事例について参加者同士の意見交換をすることで新たな気づきが得られる貴重な時間になっていることが分かりました。オンライン開催で実際にお目にかかれないのは非常に残念ではありますが、多くの皆さまにご参加いただけたことに感謝いたします。今後も看護職の皆さまのニーズに沿った「質の高いがん看護実践を検討する会」を企画していきたいと思います。来年度も多くの皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

 


 

第1回 質の高いがん看護実践を検討する会

2021年度テーマ:今後の治療や療養につなげる症状マネジメント
【第1回】がん患者の身体症状のマネジメントに困難を感じた事例
【日時】2021年8月28日(土曜日)13時00分~15時00分
【開催方法】オンライン開催(Zoom)
【参加者】18名(看護職者12名、大学院生3名、教員3名)


 第1回「質の高いがん看護実践を検討する会」は、がん看護に携わる病棟・外来看護師、在宅療養を支える訪問看護師など多様な場で活躍する看護職12名の方々に参加していただきました。


 今回は、がん薬物療法に伴う末梢神経障害が生じている患者さんの事例についてディスカッションを行いました。ディスカッションの1つ目は、末梢神経障害が生じているAさんはどのような症状体験をしているのか、について話し合いました。Aさんの症状の体験には、末梢神経障害によって、歩行時のしびれや日常生活への影響が生じて生活の質が落ちてきている、これまで当たり前だった生活行動に支障が生じ喪失感を感じている、治療を続けたい気持ちと末梢神経障害へのしんどさから葛藤が生じている、家族に手伝ってもらわないといけなくなり申し訳なさがある等の意見がありました。


 2つ目に、Aさんに今後どのような看護支援を行うのか、について話し合いました。看護支援としては、末梢神経障害に対して手指・足指を温めることや、生活を工夫する道具を活用する(調理器具の工夫・車いすの検討)、また、Aさんが家族に迷惑をかけていると思っているため家族と一緒に話し合う機会をもつ、これまでAさんが医療者に相談しづらかった可能性があるので話しやすい環境作りをする、同じ症状を持つ患者と話せる機会を持つという意見がありました。そして、これらを踏まえて、これまでのAさんの思いや楽しみ、生活スタイルを尊重した看護ケアを検討していきました。


 その後、今回の事例を踏まえて、がん患者の症状マネジメントについて、ミニレクチャーが行われました。患者さんの症状は主観的なものであるからこそ、患者さんが体験している症状を理解することの重要性を参加者とともに共有していきました。
 参加者のアンケート結果では、他施設の取り組みを知ることで、これまでの看護支援だけではなく新たな視点に気づき看護支援が具体化された、というご意見もありました。
 第2回質の高いがん看護実践を検討する会は、来年2月11日(金・祝)を予定しておりますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。​

 

特別講義

日 時:9月21日(土曜日)10時00分~12時00分
参加者:看護学研究科学生8名、がん看護学領域修了生2名


 看護学研究科がん看護学領域では、「がん看護学領域特別講義」をWebにて開催しました。今年度は、がん看護専門看護師としてご活躍されている、13期生田中まゆこさんに、「がん看護専門看護師の実践と役割開発」をテーマに、ご講義をしていただきました。


 参加した学生は講義を通して、組織の風土や特徴、さらには社会状況の課題を踏まえて、専門看護師の役割を明確にし、活動することの重要性を学ぶことができました。また、がん看護の質向上を図るためにも、組織のニーズを汲み取ることや看護実践の意図が伝わるように言語化・可視化することの重要性を改めて学びました。専門看護師としてニーズに応じた活動や、管理者と協働してがん看護の質向上につなげる役割も求められており、ニーズに応えていく姿勢が、専門看護師として周囲に存在を理解してもらうことにもつながる、と考えることができました。学生は、活躍されている先輩の話を聞く事で、がん看護専門看護師を目指す意欲を高め、そのための自己の課題を考える機会となりました。

 


 

お問い合わせ:
藤田研究室 Tel&Fax 088-847-8704 e-mail fujita@cc.u-kochi.ac.jp
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