本文
日 時:令和4年6月4日(土曜日) 10時30分~12時00分
場 所:Web開催
参加者:6名
クリティカルケア看護学領域では、臨床現場で働く看護師さんとともに急性・重症患者やその家族に対するケアの質の向上を目的として、「クリティカルケア看護学領域ケア検討会」を年2回開催しています。
今回は、慢性閉塞性肺疾患で在宅酸素療法の導入を検討中であった患者が、感染を契機に呼吸状態が悪化し、救急搬送された事例について考えました。
まず、患者の状態について診断基準や理論を活用しながら整理をしました。患者の現在の病態とこれまでの治療経過から、看護上の問題点を確認しました。身体の予備力がない状況で更なる侵襲が加わることで多臓器不全への移行が予測される状態であること、全人的苦痛が存在すること、妻が危機的状況に陥ることで、患者の治療に関する代理意思決定に影響を及ぼす可能性があることを、参加者全員で共有しました。
看護の方向性として、低酸素状態を悪化させないために、疼痛コントロールやせん妄予防を行い不要な酸素消費を防ぐこと、セカンドアタックに伴う循環の破綻を予測しながら、VAP予防や人工呼吸器離脱のタイミングを逃さず、早期回復に向けて介入することなどを再確認することができました。
家族については、すでに危機的状況にあるという意見と、今後危機的状況に陥る可能性があるという意見があり、状況を整理するためにアギュララの危機理論を活用しながらディスカッションを行いました。理論や概念を手がかりにしながら、患者やその家族の状況を客観的に分析することの重要性を再認識する機会となりました。さらに、これらの看護をチームで実践するという視点や、ケアの継続性についても参加者全員で検討することができました。
次回のケア検討会は、10月8日に予定しています。クリティカルケアに関心のある皆様のご参加を心よりお待ちしております。
お問い合わせ:
大川研究室 Tel&Fax 088-847-8703 e-mail okawa★cc.u-kochi.ac.jp
e-mail送信時には★は@に変換をお願いします