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【テーマ】病棟再編における中間管理職のジレンマ〜職務満足度、患者満足度の高い部署を目指した取り組み〜
【日時】令和6年6月14日(金曜日)18時〜20時30分
【方法】オンライン会議(ZOOM)
【参加者】参加者32名(外部参加者23名、大学院生6名、教員3名)
【報告者】看護研究科 看護管理領域 博士前期課程 佐條 萌梨
「病棟再編における中間管理職のジレンマ」というテーマで開催しました。
今年度から病棟が再編されたことによる中間管理職が抱えるジレンマについての情報提供がありました。話題提供者は、スタッフから中間管理職に昇進と同時に現在の病棟へ異動しています。その病棟はCOVID-19への対応を行った病棟です。異動当初はCOVID-19専門病棟として未曽有の事態に向き合ったスタッフの話を、傾聴することに努めています。スタッフと丁寧に関わろうと意識してコミュニケーションを取るようにしていました。今年度、病棟再編により、当該診療科に対応した部署作りが行われています。しかし、その過程で患者・家族を中心に考えるのではなく、看護師が動きやすいことを最優先にする傾向や関わりが難しい患者さんを避けようとするスタッフの発言が気になりました。スタッフは以前の病棟と比較する発言が目立ち、環境の変化に気持ちがついていけていないように感じていることが語られました。このような状況において、経験豊富なスタッフの強みを活かした看護が提供され、患者満足度の高い部署へ変革していくにはどのような対応をしたら良いのかについて検討していきました。
COVID-19という未曾有の事態の中、当該病棟に配属となった看護師が経験した心理状態や看護の特徴について共有しました。スタッフはCOVID-19の最前線で働くことへのプライドや誇りを持って看護をしていたこと、そして管理者が前面に立って可能な範囲で配慮が行われていた一方で、COVID-19専門病棟へ行く、COVID-19専門病棟から離れることに衝撃を感じる看護師がいたことなどが共有されました。COVID-19 専門病棟における看護師の体験の理解は、看護師同士であっても簡単な事ではないことが共有されました。現在は、病棟再編や診療科の再編により様々な変革が求められており、COVID-19 専門病棟での未曽有の事態への対応から絶え間ない変革が続いているとも考えられます。また、ベテラン看護師のスキルを活かすことができるよう、どのように環境を整え支援することができるのかについても議論されました。変化や変革に不安や抵抗感を持つのは当たり前のことであり、その不安や反論を受けとめつつ、誰のための変革なのかについて気づくことができるように関わることが必要という意見がでました。
話題提供者からは、これまでの経験を前向きに捉え、今後のスタッフへの関わり方についてヒントを得ることができたという意見が聞かれました。参加者は、コロナ対応のため調整を行った経験、コロナ対応を行ったスタッフへの対応を行った経験、あるいは何らかの変革を推進した経験を振り返ることができたという意見が聞かれました。また、今後経験するであろう病棟再編や変革について、スタッフ支援についていろいろな方の意見を聞くことができ、共通する意見や異なる意見から学ぶ経験になったという感想が聞かれました。また、日頃研修に参加するには1日がかりになりがちだが、オンラインでつながる場があることが有意義なことであるという声も届けられました。