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日本の国際NGOピースウィンズジャパン(本部・広島県)は、2015年の地震で被災したネパール山間部で、現地のNGOと協力して給水支援事業を実施中です。安全な水を多くの人が利用できるようになることにより、住民の健康水準が向上することを期待しています。看護学部木下がNGOの依頼を受けてネパール山間部の保健医療の現状と課題を調査してきました。
被災地では家屋の再建は進みましたが、まだ骨組みだけの未完成の家屋を多く見ました。子供たちは今も険しい山道を何時間もかけて上り下りして学校に通っています。乾季になると安全な水が十分利用できなくなるために、下痢症で苦しむ人が出てくるそうです。
一方で、無料で診療を受けることができる公的な医療機関(保健ポストなど)は「待ち時間が長い」「薬を3日分しか処方してくれない」などの理由で人気がありません。多くの人がふもとの町の薬局で薬を買って病気を治療していました。
人々の健康な生活を支援するということは単純なことではないな、と改めて思いました。