本文
第13回学際的交流サロンでは、文化学部の田中裕也講師から、「三島由紀夫『仮面の告白』の射程 -戦後社会と文学との関係性から考える-」のテーマで発表が行われました。
三島由紀夫といいますと、今回の講演の題材である『仮面の告白』や『金閣寺』、『豊饒の海』などの作品を執筆し、ノーベル文学賞候補になるなど、世界的に有名な作家といえます。また、晩年は政治的な傾向を強め、三島事件の末に割腹自殺を遂げられた方であると認識しています。しかしながら、なぜ、三島由紀夫の作品がここまで評価されてきたのかについてはあまり認識せずにいました。
今回の発表において、終戦後の日本の文学界では当時40歳台前後の作家達は「『自己』を批判し」、戦時下に各々が犯した「『罪』を『告白』していく」という「戦後・告白文学ブーム」にあったこと、そのブームのなか、人間が隠したい「性」にあえて焦点があてられた『仮面の告白』を発表したことで、三島文学の評価につながったことがわかりました。
文学作品を読む際、その作品が執筆・発表された時代背景などを念頭に置くことで、その作品への理解を一層深められることを改めて実感することができました。
【 参加者数 : 合計21名(発表者含む) 池17名、永国寺4名 】