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テーマ | 呼吸困難感から自殺願望を抱くがん患者への看護 |
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事例提供者 | 岩田尚子OCNS〔16期生〕(香川労災病院) |
日時 | 2016年5月27日(金曜日)18時30分~20時30分 |
場所 | 高知県立大学 池キャンパス 看護学部棟C310 |
参加者 | アストラルの会メンバー8名、教員3名 |
<岩田尚子OCNS>
今年度、第1回目のアストラルの会として、事例検討会を開催しました。平成27年12月に専門看護師として認定を受けた香川労災病院の岩田尚子OCNSより、肺気腫による慢性呼吸不全と永久気管孔による呼吸困難感の増強から希死念慮や自殺願望を抱いている患者の実践事例が提供され、ディスカッションを行いました。
病棟看護師とともに患者の思いを引き出すアプローチについて、呼吸困難感のきっかけや自宅での生活を聞く過程で思いを確認していくこと、また、ロールモデルとして専門看護師が患者の思いを聞き、記録に残して病棟看護師と共有していくことなど、豊富な経験から多様な意見が出されました。
また、常勤の精神科医が不在の中での精神症状へのタイムリーなアプローチについて、診断指標やツールを用いて精神症状を的確にアセスメントする重要性や、精神科医との相談をもとに主治医と薬物療法を検討していくことなど、専門看護師が率先して役割を担う必要性を共有しました。
さらに、介護疲労のある家族への介入について、家族に話ができる他者がいることや家族が孤立しないようにこれまでの体験に理解を示すことなど、入院前からの経過や入院後の生活を視野に入れて介入することが重要であるとの意見があげられました。そして、協働してよりよいケアを提供するために、スタッフや多職種との関係を構築し巻き込みながら実践していく専門看護師の重要な役割を再認識することができました。
<ディスカッションの様子>
最後に、岩田OCNSから、今後OCNSとして活動していく上で重要な視点をたくさんもらうことができたため、自施設でどのように役割を担っていくか考え、活かしていきたいという意思が表明されました。ディスカッションを通して、相互に新たな視点や気づきが得られ、専門看護師としての看護実践や役割を改めて考える貴重な機会になりました。