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Global Platform 2017
http://www.unisdr.org/conferences/2017/globalplatform/en
国連防災グローバルプラットフォームとは…
国際的な防災枠組みの進捗状況を評価するために、政府機関、国連機関代表のほか、地方自治体、民間企業、専門家・学術研究者、NGOなどの世界の防災関係者が一堂に会する会合です。国連防災戦略事務局(UNISDR)主催で、2年ごとに開催されており、今回は”The commitment into Action”をテーマとしていました。
看護学研究科の神原咲子准教授がネパール看護協会と取り組んでいるEpiNurse NepalがRisk Award2017を受賞しました。
Epidemiology+Nurse for Disaster Risk Reduction
神原准教授が開発中の健康危機管理のための看護モデルです。具体的には、自然災害などの健康の緊急事態を見据え、災害時に健康危機(水・食糧・生活環境等)に陥りやすい地域について、看護の視点から平時の地域システムや地域住民のマンパワー、リテラシーなどの応用を包括的に検討しています。
中核をなす避難情報アプリ”Sherepo”は東日本大震災を教訓に日本で開発され、実証実験を行ってきているものです。それにフィリピンの”eBayanihan”(”bayanihan”はフィリピン語で共同して特定の目的を達成するための努力の精神、助け合いを意味します)という災害時に必要な支援に関する情報収集システムを統合し、台風ハイエンの被災地であるタクロバンにおいて実証訓練するなど、グローバル展開のための開発を行ってきました。
そのような活動の蓄積から、2015年にネパールのゴルガ地震で影響を受けた全12郡で約1年間、避難移住した人々の衛生や生活情報データ共有のために、看護師の育成とモニタリングを行いました。そこで災害看護への関心の高まりやEpiNurseの更なるニーズがあったことを受け、研究開発を継続していました。
受賞理由は、期待される費用対効果が高いこと、革新的な防災というより人間の安全保障に不可欠であること、アウトリーチしにくいところへのソリューションとなること、地域の女性力の可視化できること、数カ国の教訓からなる普遍的な理論と文化的配慮があり地域持続性が期待できることなどで、グローバル展開できる方法論として期待されています。今後2年間で地域での持続可能な活動のための成果が求められており、いかに持続可能なシステムを作ることができるかが重要となっています。
DNGL(看護学研究科共同災害看護学専攻)の院生はEpiNurseの活動で、各所においてフィールドワークの実施やミーティングへの参加などをとおして研究プロセスを学んできました。また、この研究に参加することでDNGLに関心を持ち、留学してきた院生もいます。今後のDNGL院生の新たな活動も期待されています。