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第15回学際的交流サロンでは、看護学部の渡邊聡子准教授から発表がありました。今回のテーマでは、災害時要配慮者である妊産婦を対象に、母性看護の切り口から災害に具体的に備えることを促す取り組みについて、研究成果に基づいて紹介されました。
災害など急激な環境変化に脆弱な妊産婦やその家族が、災害リスクに備え、対応できる力をつけることを促すために教育プログラムの開発が行われました。そのプログラムには、夫婦もしくはパートナーとともに参加することが必要で、結果として(1)教材の提供のみを行い自主学習を行ったグループ、に比べ、(2)講義やワークショップ・自宅での取り組みを通して、知識の習得、知識の活用、情報交換・共有を行ったグループ、の方が、災害への備えをより自分事として考え、実際に自宅内の物の配置やガラスに飛散防止フィルムを貼るなど、より具体的な行動に移すことができたことが分かりました。また(2)のグループは、災害への備えは災害が起こらない場合、無駄になるかもしれないことを認識したうえで、今できることを行い、パートナーと一緒に、もしくは家族単位で災害について話し合い、グループ内で他者の取り組みを共有することで、新しいアイディアを得たり、自分の取り組みについて再確認をすることができたことが報告されました。
セミナーの参加者からも、この教育プログラムを受けてみたいとの感想が出ました。災害への備えについても、改めて自分事として考える時間となりました。
【 参加者数 : 合計25名(発表者含む) 池23名、永国寺2名 】