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第17回学際的交流サロンでは、前回(7月20日実施)に引き続き、戦略的研究推進プロジェクト成果報告会を行いました。このプロジェクトは、本学の学術研究の充実および高知県の課題解決を目指し、各重点テーマにおいて、教育研究力を高めようとする取り組みに経費を補助することで、教育・研究のイノベーションを促すことを目的としています。平成29年度から実施され、昨年度に終了した7件のプロジェクトの成果報告を2回に分けて行いました。
今回はその第2回目で、文化学部、社会福祉学部、看護学部の4名の教員が、プロジェクトの成果や今後の課題などについて報告しました。
プロジェクトの内容は、地域に根差した活動で、研究内容や研究結果に基づいた教育や地域貢献活動となっています。成果として、看護学分野では「高知県における精神障害をもつ女性の妊娠・出産・育児への看護支援モデル」の作成や、インターネット回線や既存のビジネスツールを用いて、高知県内の看護専門職と血管病調整看護師をつなぎ、相談や情報閲覧・情報交換ができる知のネットワークツール作りを行いました。どちらも新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、当初予定していた評価や検証を行うまでには至りませんでしたが、今後も継続して、洗練化を行っていくことが報告されました。
文化学分野では、高知県の「民話」について学術的記録保存のための調査を行い、その成果をシンポジウムで発表し報告書としてまとめました。今後は、民話の収録数をさらに増やし、体系化・分析・考察を行うことで、民話研究を「言語文化教育」に還元することや学校教育現場で活用できる冊子の作成等を検討していくことが報告されました。
社会福祉学領域では、児童養護施設卒園生に卒園後の困ったことについてニーズ調査を行い、リービングケア(入所中に行う卒園後のための支援)とアフターケア(卒園後の支援)の具体的な内容について検証を行ったことが報告されました。
報告会の最後には、中野学術研究戦略委員長から各プロジェクトについての講評がありました。前回に引き続き、今回もZoomによる同時配信を行い、多くの方にご参加いただけたかと思います。
来年度以降も、引き続き戦略的研究推進プロジェクトは継続して行われます。このプロジェクトを通じて、複数の学部に渡る学際的な研究や、地域の方と協働する研究などが一層進み、その成果を地域に還元されていくことを期待しています。
【 参加者数 : 会場11名、Zoom参加42名 合計53名(発表者も含む) 】
<プログラム> 第2回戦略的研究推進プロジェクト成果報告会
(1)【H30採択 テーマ2 2年間】
高知県における精神障害をもつ女性の妊娠・出産への看護支援モデルの開発
研究代表者 : 看護学部 永井 真寿美 助教
(2)【H30採択 テーマ2 2年間】
言語文化教育としての「民話」を活用した学術的・国際的な地域還元型教育
研究代表者 : 文化学部 橋尾 直和 教授
(3)【R1採択 テーマ4 1年間】
高知県の血管病重症化予防に向けた看護職の知のネットワークづくり
-ICT(情報通信技術)の活用-
研究代表者 : 看護学部 山中 福子 講師
(4)【R1採択 テーマ4 1年間】
児童養護施設卒園生のニーズ調査
-リービングケア・アフターケア実践のための研究-
研究代表者 : 社会福祉学部 杉原 俊二 教授