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職位 | 准教授 | |
役職 | ||
所属 | 文化学部 文化学科 | |
教員紹介 | 近代文学のテクストは娯楽としてだけではなく、当時の社会背景や文化・思想なども織りこまれています。私たちにとって近代とは比較的近い時代であるのに、既に現在の私たちが忘れてしまった風習や文化などが文学テクストのなかから発見されることもあります。そうした風習や文化などを発見することは、研究上とても意義があることだと言えます。 しかし文学テクストは文化や風習を写し取ると同時に、現実を飛び越えた可能性を描くこともあります(SF小説などが想起しやすいでしょうか)。つまり小説は現実の要素を写し取ると同時に、現実からはみ出た要素も描くのです。そうした現実を飛び越えたものを書くことによって、いったい何を描こうとしたのか。文学はフィクションであるがゆえに容易に現実をも超えてしまうのです(可能世界)。そうした人間の豊かな創造性を理解するのは、文学作品を研究する者にとっての醍醐味の一つだと思います。学生には少しでも文学研究の楽しさが分かってもらえればと思っています。 |
学位 | 博士(国文学)(同志社大学、2015年) |
学歴・職歴 |
【学歴】 【職歴】 |
専門分野 | 日本近代文学 |
所属学会 |
日本近代文学会 |
三島由紀夫文学の生成論的研究
三島由紀夫文学のテクストを生成論的アプローチから研究している。主な研究内要は下記の3点。
1.三島由紀夫のニーチェ受容とその文学的実践についての研究
(三島が和辻哲郎『ニイチェ研究』を受容し、文学作品を生成していることを明らかした)
2.三島由紀夫文学における〈美〉と〈性〉の問題系の研究
(三島文学がソクラテス以降の〈美〉と〈性〉の思想に対する批判性を有していることを明らかにした)
3.三島由紀夫文学の社会的批評性についての研究
(三島文学が〈アプレゲールの事件〉や〈主体性論争〉など、作品発表当時の社会的問題に対して批判性を
有していることを明らかにした)
日本近代文学、日本現代文学、文学理論、文芸メディアの研究、メディアミックス
日本近代文学、日本現代文学、三島由紀夫、生成論、検閲研究、ニーチェ、〈美〉と〈性〉
【論文】
・田中 裕也:「三島由紀夫『愛の渇き』の生成-悦子の「幸福」をめぐって-」、『国文学論叢』第66号 (2021)
・田中 裕也:「花田清輝『鳥獣戯話』第三章「みみずく大名」論-歴史資料の引用方法をめぐって-」、『国文学論叢』第61号、
pp.261-278 (2016)
【報告書等】
・『三島由紀夫文学を読む・知るための30冊』、高知県立大学戦略的研究推進プロジェクト (2020)
・『三島由紀夫とオリンピック』(特集:スポーツと文学)、高知県立文学館 (2020)
・『松本徹著作集2 三島由紀夫の思想』(紹介)「日本近代文学」、第101集、pp. 327-327 (2019)
・『越境する人々 移民・移住を考えるための50冊-人文・社会科学からのアプローチ-』、高知県立大学戦略的研究推進プロジェクト 飯高 伸五、田中 裕也「引揚体験を考えるための10冊」・田中 裕也「文学者の見た異郷を考える5冊」担当 (2019)
・京都と文学研究会編(共編著):『ものがたりたちの京都』、「三島由紀夫『金閣寺』-観光都市京都という〈場〉から考える」、
武蔵野書院、東京(2019)
・田中 裕也(共著):『言語文化の中世』、「第二次大戦下の小林秀雄と〈中世〉-同時代言説を視座として―」、和泉書院、大阪(2018)
・研究課題:「翻訳」「注釈」の創作性とフィクション生成をめぐる学際的・理論的研究
研究種目:基盤研究(C)
研究期間:2020年4月 – 2023年3月
代表者 :高西 成介 高知県立大学 文化学部 教授
分担者 :山口 善成 金沢大学 歴史言語文化学系 准教授
田中 裕也 高知県立大学 文化学部 講師
・研究課題:三島由紀夫文学における思想系テクストの受容と実践に関する研究
研究種目:若手研究
研究期間:2020年4月 – 2024年3月
代表者 :田中 裕也 高知県立大学 文化学部 講師
・令和元年度 高知県立大学 戦略的研究推進プロジェクト(分担者)「永国寺キャンパスを拠点とした地域文化資源の保存・整備と利活用に関する実践的研究」研究期間:2019年4月-2021年3月
・平成30年度 高知県立大学 戦略的研究推進プロジェクト(分担者)「言語文化教育としての「民話」を活用した学術的・国際的な地域
還元型教育」研究期間:2018年4月-2020年3月
・第13回 ドナルド・キーン日米学生日本文学研究奨励賞 受賞 (2010.1)
・高知市文化振興事業団・市民講座 講師
・高知文学学校 講師
・各種出張講座 講師
・「国宝浪漫」(金閣寺の回、テレビ出演)2017年1月