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介護福祉からI T分野への挑戦、学んだことに無駄なことは一つもなかった。

ページID:0036138 更新日:2025年3月31日更新 印刷ページ表示

柿本 光さんは、高校時代に経験した介護施設での慰問演奏がきっかけで、介護・福祉の世界に興味を持ち、高知県立大学社会福祉学部へ進学。介護福祉の資格は習得するも、興味のあったものづくりの道への就職を希望。現在はシステムエンジニアとして働いています。​​

柿本  光 さん写真1

【Profile】
柿本 光 さん​
NECネクサソリューションズ株式会社 システムエンジニア​
2019年 高知県立大学社会福祉学部社会福祉学科卒業

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Q1 本学に進学を決めた理由を教えてください。

高校時代の部活動での経験がきっかけとなり、社会福祉学部に進学を決めました。

 私は高校時代、将来何がしたいか見つけられていませんでした。元々保守的な性格でもあったので、県外に行こうという選択肢はなく、県内で興味のある勉強ができる大学に進学かなとぼんやり思っていました。そんな私が社会福祉学部を選んだきっかけは、小学生の頃から続けてきた吹奏楽を通しての出来事。高校での吹奏楽部の活動では、病院や老人ホームなどの介護老人福祉施設への慰問演奏があり、高知市内のいろいろな所へ部活動の一環として伺いました。自分たちの演奏は、特別に上手というわけではなかったのですが、演奏を聴いたおじいちゃん、おばあちゃんが涙を流してくれて、その光景がいまだに忘れられません。たくさんの利用者さんや職員さんとの触れあいが忘れられず、社会福祉や介護の道への興味が湧き、県内で介護福祉の勉強ができる県立大へ進学を決めました。

 

Q2 どんな学生生活でしたか?

卒業して5年が経ったのでどんな大学生活だったか少し記憶が薄れてはきてはいますが、良い時間だったということは間違いないです。

 介護コースは、長期休業期間は実習があり、4回生になっても他の学部が1、2コマで授業が終わって遊びに出かけたりしているなか、休みなく朝から晩まで勉強していました。当時は勉強に実習に大変でしたが、25人の少人数クラスだったので、みんなすごく仲が良かったです。先生たちも熱心にご指導やサポートをしてくださいましたし、みんなで力を合わせて乗り越えた感覚が強いです。よく聞く大学生、という感じの時間は少なかったかもしれませんが、空きコマを使ってみんなで街に行ったり、遊びに行ったり、大学生っぽい楽しみもちゃんとしてましたよ。

柿本  光 さん写真2―印象に残っている学びはなんですか。

 介護や福祉の授業がメインでしたが、必修授業として学んだ“対人”、“対自分”とのやり取りについての学びがすごく印象に残っています。実際受けた授業の中に、1人1テーマを持ち込み、それについて話すというものがあり、当時私は「みんなにとっての幸せってなんですか?」という問いをクラス全体に投げかけました。「これができたら幸せ」「こういう健康を害されなかったら幸せ」と、幸せの基準はその人の人生経験によって様々。25人それぞれの幸せに対する捉え方に触れ、いろんな価値観を知る機会となり、自分の考えを見直すきっかけになったと今でも思います。

 高校時代や大学入学当初は、コミュニケーションについて考えて行ったこともなく、どちらかというと下手な方でしたが、大学での授業を通して、コミュニケーションの技術を学んだので、なんとなくではなく、理解して行えるようになり、人の気持ちについて考えられるようになりました。そういうのは社会人になっても苦手な人は多いので、あの時の経験が今、自分の力になっていると実感しています。

 

Q3 なぜ、システムエンジニアを目指そうと思ったのですか?

純粋にものづくりへの興味があったので、I T業界に挑戦してみようと未経験でも入社できる就職先を探しました。

 元々ものづくりには興味があり、卒業論文ではI Tや機械を使った介護について研究をしました。純粋にその分野への思いが大きかったので、就職は思い切ってI T方面へ挑戦してみようと考え、就活することに。I T業界で働くなら都会の方が質の高いものが体感できるのではと思い、大阪や東京の会社で、かつ未経験でも入社できる企業を探した結果、現在所属しているN E Cネクサソリューションズから内定をいただき、入社しました。

 入社当時、同期は50人くらいいて、半数は自分と同じように未経験者の人ばかり。私自身、パソコンは人並みには使っていましたが、専門的なことは全く知識のない状態でした。ですが、元々理系でエンジニアを目指していた人と、そうでない人も5年ほど経てば遜色なくなるということを先輩から聞いていましたし、研修期間もしっかり取ってくれている会社だったので、未経験だからできない、ということはなく、挑戦しやすい環境でしたね。

 

Q4 現在のお仕事について教えてください。

システムエンジニアになって6年。大学に入るまではぼんやりだった“なりたい自分”が、今は形づいてきたような気がします。

柿本  光 さん写真3​ システムエンジニアという仕事をし始めて、はや6年が経ちました。基本的には、お客さまにシステムを売るという部分は営業職がして、そのシステムを提案したり、設計・開発したり、そのシステムを使って業務が回るように、システムの運営のサポートをするのが主な私の仕事です。

 どの企業も同じですが、基本となる問題の本質を捉えて解決策を考えるということは、幸いにも大学時代に当たり前のように学んできたことなので、違和感なくその視点を大事に日々の仕事に取り組めています。それでも技術的なことを言えば、3年くらいは形にならず、4、5年経ってやっと一人で提案したり、お客さま相手に前に出たりとできるようになりました。

 大学時代の恩師に言われた「自己実現は学生時代にはできないもの、社会や会社に何かした時に初めて感じられるものだ」という言葉が、心に残っていました。あの頃はずっと「本当に仕事で自己実現なんてできるのかな」なんて思っていましたが、社会人になって、自分で考えて決めたことを責任を持って進めていき、その結果が出た時、これがあの時言っていた自己実現ということなのかな、と少し分かるようになった気がします。仕事にやりがいも感じられ、自分がなりたい姿、やりたいことが昔より明確に見えてきたので、これからもこの場所で頑張ってみたいなと思っています。

 

大学での学びは今の仕事に直接関係なくても、その視点や考え方は必ずつながっているものだと思います。

 大学時代に、社会福祉士、介護福祉士の資格を取得しましたが、今のところその資格を活かす場面はありません。ですが、会社自体が多方面にアプローチしているので、今後そういった分野のシステム開発に関わる可能性はあります。自分たちの作っているものは、技術の進化も速く、時に高齢者の方には使いづらいと感じさせることも。私たちも将来、必ず高齢者になります。高齢化が今後も進み、私たちが高齢者になったときは、定年がさらに伸び70、いや75くらいまで働かなければいけないかもしれません。そうなった時に使いやすく、働きやすくなるものが作れたら、と思っています。大学で培った子どもから高齢者までいろんな目線に立って考えることも、いつも心に置いて取り組みたいですね。

 

後輩のみんなにエール!

自分の選択に価値を見出せるのは自分自身です!​ 

 私は昔から“自分で決めたことをやる”というのが軸にあります。会社内の飲み会とかで気づいたのですが、「なんのために働いているんだろう」って思っている人って意外といて、「生活のため」という人が多いんですよね。私自身は仕事を始めて、働く意義を考えた時に、お客さんに感謝されるのももちろんありますが、それって人からの評価がなくなった時に、働けなくなっちゃうんじゃないかと思ってしまったんです。それに何より、目の前のことができなかったらダメだなって。どれだけ忙しくてもやるべきことはきっちりやる、できたら自分で自分を褒めてあげる。それで今、仕事にやりがいもあるし、前向きに取り組めている実感があります。例えば、「勉強を頑張る」「バイトを頑張る」「サークルで頑張る」どんなことでもいい。ただ頑張るだけではなく、自分で決めたことをやり遂げ、やり遂げた自分を振り返ってきちんと評価することがやりがいにつながる大事なことだと思っています。自分の選択に価値を見出せるのは自分自身、そう思って私は日々過ごしています!​

※所属・職名等は掲載時点のものです。