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2018年2月14日(火)に、高知県立大学にて、平成29年度 高知県災害看護支援ネットワーク会議が開催されました。本会議は、平成10年に高知市内で発生した豪雨災害を契機に、翌年から高知県の職員提案事業として高知県災害看護支援ネットワーク検討会がスタートしたことから始まります。
第19年目となる今回は、「受援」をメインテーマとし開催いたしました。前半は熊本県から高島和歌子氏(現 熊本看護専門学校 校長、前 熊本県看護協会 会長)、高知市から植田耕太郎氏(高知市役所 防災政策担当係長)を話題提供者としてお招きし受援体制の現状や熊本地震での経験について伺いました。高島様からは熊本地震発災時当時に看護協会長として災害支援ナースを受けることに対する決断の難しさや、これまでは支援者側としての訓練に重点を置いており、平時から受援を想定した訓練や体制が整っていなかったことに対する教訓を共有していただきました。
会議の後半では行政、保健所、医療機関からそれぞれの取り組みや今後の課題についてご報告いただきました。また、前半の話題提供と後半の発表を受け、参加者の皆様との意見交換を行いました。そのなかで、南海トラフ地震時における受援の課題として、外部からの医療チームや支援者の各施設での支援業務のあり方、支援者の受け入れに関わる問題として宿泊先の確保や施設内での休憩場所の確保等の問題が話し合われました。
南海トラフ地震による高知県の被害は甚大であることが想定されており、特に医療資源や人材の確保に関しては大きな課題となっています。このような状況を踏まえ、各施設では徐々に「受援」に関する取組が始まってきており、高知県でも関心の高いテーマの一つとなってきています。今後もこのような会議を継続して開催し、行政・医療機関・看護協会・教育機関との組織間の連携を強化し、情報共有や意見交換を行いながら、高知県の災害看護支援ネットワークを広めていきたいと思います。