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山田覚教授による「災害看護支援ネットワークの構築・維持と効率的な運用」と、神原咲子教授による「誰も取り残さない減災ケアの地図化と社会化」に対して、Yahoo!基金より助成されることが決定いたしました。
Yahoo!基金については、ウェブサイトをご覧ください。 https://kikin.yahoo.co.jp/info/2018/052810.html
山田覚教授は、平成10年の豪雨水害以降、県下全災害拠点病院、高知県、高知市、高知県看護協会で災害看護支援ネットワークを構築し、高知県、県下全市町村および高知県看護協会との災害看護協力協定を締結し、日本全国から参集した看護職を効果・効率的に配置して対応できる制度を構築しています。
Yahoo!基金の助成を受け、「災害時の看護協会と各医療施設との、看護職等の需要と供給情報の共有」と「災害状況に応じた需要と供給の調整をし、相互に補完し管理できるシステム(仕組み)の構築」をめざして活動していきます。
神原咲子教授はこれまでの研究からパブリックヘルスのための「減災ケア」を提唱しています。減災ケアとは、予期せぬ「Health Emergency(健康の緊急事態)」により派生してくる健康問題や医療不足に対して、「水・食糧・生活環境・健康」のセルフケア活動を向上させることによって、災害による健康リスクを減らす活動です。今回の活動では、障害者や子育て女性を中心に避難、避難時の生活、日常への復帰に必要な情報を地図情報を、地域で共有できるような仕組みを考えます。
災害に関する課題をもつ高知県を対象としてオープンな研究の場として捉え、対象や介入時期に幅を持たせ、連続的に課題を発掘、解決し、産官学連携・協働の場とし、現在は住民、特に要配慮者とのワークショップや訓練を繰り返し、県民大学としての地域参加型の研究方法の革新と社会貢献を探求しています。
本研究が目指す社会は、地域の産官学民が、それぞれの強みを生かしながら、すべての人に健康と福祉(持続可能な開発目標3.3), ジェンダー平等を実現しよう(持続可能な開発目標5), 住み続けられるまちづくり(持続可能な開発目標11)であり、本研究もまたこれの目標達成に向けて貢献していくと考えています。
尾高知県知事に活動を説明する神原教授