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【レポート】令和元年度台風15号における活動

ページID:0017206 更新日:2019年9月10日更新 印刷ページ表示

 2019年9月10日~16日にかけてNPO法人ピースウィンズ・ジャパンのレスキューチーム隊員(看護師・保健師)として千葉県内で活動しました。
 主な活動内容は、千葉県内の調整本部における本部活動支援や、停電等による病院機能喪失に伴う病院避難患者の転院搬送支援、被災地内における救急外来での病院診療支援、避難所での健康相談や診療、避難所等においての段ボールベットや衣類などの物資支援、被災した自治体と協力しながら戸別訪問活動などを行いました。

 千葉県南部では台風による送電線の切断、鉄塔の倒壊による長期的な停電状態が続いており、まだまだ暑さも厳しい中でエアコンや扇風機も使用できない状況で、健康状態の悪化が懸念されました。
 災害拠点病院における救急外来での診療支援では、かかりつけのクリニックや病院が台風被害によって再開できず、災害拠点病院の救急外来に来る患者数が平時の3倍近い数となっていました。さまざまな処置や検査などの介助を実施しましたが、物品の場所や使用する資器材の名称なども病院ごとで異なるため、スムーズな検査や処置介助を行うのに大変苦労しました。

 また、自治体と協力しながら実施した戸別訪問は、担当した地区が別荘なども立ち並ぶ地区で、不在なのか定住していないのか分からない中で地元住民の協力を得ながら一軒一軒お宅を回り、被害の状況や健康への影響がないかを確認しました。訪問した方の中にはいつまで経っても電気が復旧しないことへの怒りを口にする方や、屋根など自宅が大きく損傷を受けてどうしていいか分からずに戸惑っている方などさまざまでしたが、健康状態も確認しながら困っている内容に関する相談先の案内や支援物資の配布案内なども併せて説明して回りました。

 今回、初めて災害急性期での活動を経験しましたが、被災状況の全容が見えない中であっても活動方針を決定し、確実な支援を実施することの重要性を学びました。また、NPOのスタッフとして被災地に入り、医療支援だけではなく物資支援など多方向から支援活動を実施し、柔軟かつシームレスな活動が可能であるNPOの強みを感じながら活動することが出来ました。

(DNGL 3期生 佐々木 康介)

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