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日本家族看護学会第33回学術集会を開催しました


ページID:0044932 更新日:2026年9月25日更新 印刷ページ表示

 2026年8月29日(土)・30日(日)の2日間、高知市文化プラザかるぽーとにおいて、「一般社団法人 日本家族看護学会 第33回学術集会」が開催されました。本学看護学部の瓜生浩子教授が学術集会長を務め、「コンフリクトから調和を生み出す家族との伴走」のメインテーマの下、全国から多くの研究者・医療福祉専門職等が参加しました。

 本学術集会では、さまざまなプログラムを通して、コンフリクト(意見や感情の食い違いから生じる葛藤・衝突・対立)を抱え苦悩する家族に向き合いながら、調和を生み出していけるように支える支援について議論が交わされました。

学会看板 学会の様子

会長講演

 「コンフリクトから調和を生み出す家族との伴走」と題し、学術集会長の瓜生浩子教授が講演を行いました。コンフリクトを抱える家族に向き合う看護者に求められる姿勢や援助方法、コンフリクトの発生や悪化を予防するための方略、コンフリクトを抱えながら調和を生み出している家族がもつ力などについて、これまで取り組んできた研究や教育、社会活動を通して得られた知見を紹介しました。

会長講演

特別講演

 一般社団法人日本ケアラー連盟理事でイラストレーターの柴本礼氏が、「“見えない障害”が家族に巻き起こす不調和とともに生きる」と題して講演されました。突然に高次脳機能障害となった夫と歩んできた自身の経験を踏まえ、外からは見えにくい障害が家族生活や家族関係に及ぼす影響や、生じる様々な困難といかにして付き合っていくかについて、家族の生の声として語られました。

教育講演Ⅰ

 子どもの虹情報研修センター研究部長で日本家族療法学会 教育研修委員の中垣真通氏が、「システムとしての家族に生じるコンフリクトと成長」をテーマに講演されました。家族を一つのシステムとして捉え、家族の関係性に介入していく家族療法の考え方を紹介し、家族にコンフリクトが生じる背景と、それを乗り越えることで生まれる家族の成長について解説されました。

教育講演Ⅱ

 NPO法人日本家族関係・人間関係サポート協会理事長の渡辺裕子氏が、「調和を生み出すためのバウンダリーへの注目と家族メディエーションの試み」について講演されました。家族間の適切な距離感や境界(バウンダリー)の重要性に着目し、家族の力を引き出しながら、コンフリクトに陥った家族が調和を再構築できるように支える専門的な視点と技法について紹介されました。

シンポジウムⅠ

 「コンフリクトをどう読み解くか-臨床哲学・法律・経営の視点から考える」をテーマに開催されました。大阪大学 大学院人文学研究科教授の堀江剛氏、神戸大学 大学院経営学研究科教授の吉田満梨氏、高知弁護士会 あさひの風法律事務所弁護士の中島香織氏が登壇され、それぞれの学問領域におけるコンフリクトという現象を読み解くための考え方や解決の方略について共有、多角的に議論しました。

シンポジウムⅡ

 「コンフリクトを抱える家族に調和を生み出す家族支援専門看護師のわざ」をテーマに、株式会社総合医療サポート 訪問看護ステーションいちごの花の関隆裕氏、高知大学医学部附属病院の星川理恵氏、愛知県医療療育総合センター中央病院の野々山敦夫氏の3名の家族支援専門看護師より実践事例の共有が行われました。家族それぞれの思いや価値観に寄り添い、伴走しながら、その家族のもつ力や強みを活かして調和へと導く支援のあり方について議論が行われ、家族看護の本質を改めて確認する機会となりました。

市民公開講座

 「医療的ケアを受けている子どもと家族の未来へつながる選択」と題し、絵本作家・保育士の平田エミ氏と、関西医科大学看護学部准教授の石浦光世氏より話題提供がありました。医療的ケア児と家族が地域の中で安心して暮らし続けられるように、「その子らしい生活」や「子どもの未来につながる選択」をいかにして支えていくかを、地域の皆様とともに考える機会となりました。

 

 本学術集会では、この他にも4つの委員会企画、22の交流集会、113題の一般演題発表、3つの当事者・家族の会による展示など、多彩なプログラムが展開されました。家族看護に関する研究成果や実践知が共有されるとともに、家族が抱えるコンフリクトを調和へとつなげる支援について多様な立場から活発な議論が行われ、家族一人ひとりに寄り添う支援の在り方について考える機会となりました。