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目的:臨床現場で働く看護師とともに急性・重症患者やその家族に対するケアの質の向上
テーマ:救急・集中治療領域における早期回復支援
日 時:令和7年6月17日(火曜日) 18時30分~20時
場 所:高知県立大学看護学部棟(C310) ハイブリッド開催
事 例:予定手術を控えた80代患者が、術前検査を行う過程で腹部大動脈瘤切迫破裂が確認され緊急手術になった症例
ミニ講義:「早期回復支援:周術期における早期回復に向けて」助教 森本紗磨美
参加者:14名(オンライン3名、会場11名)
内容:
①事例についてグループディスカッションと全体共有
まず、患者の背景や思い、家族との関係性、今後の希望などについてグループ内で検討し、患者の理解を深めました。次にこの患者へのケアの方向性、重要となるかかわり、回復を促すために必要な支援などをグループでディスカッションし全体で共有しました。弁置換術の手術を控えている状況での緊急手術となり予想外の出来事に患者、家族の動揺が大きいこと、患者、家族が今後の経過を見通すことができる関わりの必要性、統一した対応など、緊急を受ける患者、家族への心理面にアプローチの重要性などについて検討しました。また心疾患を有している状態での緊急手術は術後合併症、術後せん妄のリスクが高く、事前のリスク査定やリスクの軽減が重要であり、心機能の状態、腎機能の状態、手術侵襲などから早期離床への介入は慎重に進める必要があり、医師や理学療法士と連携し状態に応じた早期回復支援が非常に重要である点について確認しました。
患者、家族の心理的負担、術後合併症のリスクが非常に高い中でのケアの難しさ、その中で看護としてできることは何かについて共有し、このような状況の中で提供しているケアの一つ一つが患者の早期回復に向けてのケアにつながっていることを確認する機会となりました。
②ミニ講義
森本助教より「早期回復支援:周術期における早期回復に向けて」という内容で実施しました。ERASの概念、ERASプロトコルの実践内容について確認し、日頃のケアの一つ一つが早期回復を目指したケアにつながっていることが説明されました。
③参加状況と今後の予定
新人看護師から中堅看護師まで参加があり、広い看護師層でディスカッションができ、日頃の看護実践を振り返り意味づけする機会になりました。第2回ケア検討会を2026年2月に予定しています。
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