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本学は高知市との包括協定を結び、池キャンパス・永国寺キャンパスともに大規模災害時の指定避難所に位置づけられています。災害はいつ発生するか分からず、職員誰もが避難所運営に携わる可能性があるため、災害に備え、全職員が実際に避難所を運営できるようになるための実践的な研修を実施しています。
5月31日(火曜日)、全事務職員を対象に、令和4年度第1回避難所運営研修を池キャンパスにて開催しました。
本学では、令和4年度1年間を通して全事務職員を対象とした避難所運営研修を実施することとし、今回はその第1回目となります。
研修アドバイザーとして、さんすい防災研究所 代表 山﨑水紀夫 氏を迎え、「南海トラフ地震と避難所運営」をテーマに、災害対策、南海トラフ地震及び避難所運営等の基礎的な知識を学びました。
研修には池・永国寺両キャンパスから職員54人が参加し、活発な質疑応答も行われました。
今後は、避難所運営ゲーム(HUG)の実践や、県立大学の施設を使用しての机上訓練などを予定しています。
第2回避難所運営研修を7月11日(月曜日)に池キャンパスで、7月14日(木曜日)に永国寺キャンパスで開催しました。
参加者は職員59名と、本学学生サークル「イケあい地域災害ボランティアセンター」の学生4名、合計63名でした。
今回はHUG(避難時運営ゲーム)というグループワークを行いました。HUGとは避難所で起こる様々な出来事を模擬体験するゲームです。
避難者の状況が書かれたカードを引き、避難所に見立てた平面図に配置しながらゲームを進めます。
参加した職員はカードに書かれた様々な出来事に苦慮しながらも、迅速かつ適切な対応を心掛けながら、真剣に取り組んでいました。
第3回避難所運営研修を8月22日(月曜日)に永国寺キャンパスで、9月2日(金曜日)に池キャンパスで開催しました。参加者は職員49名と大学院生5名、合計54名でした。
今回はHUG(避難所運営ゲーム)の上級編として、避難所再配置の実践等についてグループワークを行いました。避難所再配置とは、近隣住民等の避難が落ち着いてくると考えられる地震発災後2~3日頃に、避難所の全体状況を把握したうえで、避難者がより過ごしやすいように避難所の区画割り等を再度検討するものです。
グループワークでは、ケガ・持病の有無や避難者総数等をまとめた避難者名簿を確認し、居住地区や要配慮者などを考慮しながら避難所の割り振り方法を検討し、体育館や教室に避難者を再配置していきました。そして、避難所を開設した際に実際に使用する市への連絡票を用い、避難者数についての報告内容や要求する必要物資などを検討しました。
また、管理班、食糧班などの避難所運営組織の各班がどのような業務を担当するのか確認し、災害対策本部からの連絡事項や避難者からの要望等に対して、実際にどの班が対応するのかシミュレーションを行いました。
参加した職員は、前回のHUGゲームの経験を生かし、真摯に向き合いながら取り組んでいました。
第4回避難所運営研修を9月27日(火曜日)に池キャンパスで開催しました。オンラインでも配信し、参加者は52名でした。
今回は看護学部の竹﨑久美子教授を講師に迎え、「県大の立地、キャンパスの状況-タイムラインに沿って考える」をテーマに、講義形式の研修を行いました。まず、池キャンパスの立地や周辺状況、備蓄の分置状況などの説明があり、キャンパス周辺がどのくらい浸水し、避難者がどこからどの程度くるのかという想定や、本学の物資保管状況について学びました。災害に対する対応は、発災が平日なのか休日なのか、また時間帯(学生・教職員在学時間帯/警備員のみ在学時間帯)によって、全く変わってきます。発災後、本学ではどのようなことが起こるのか、どんな課題があるかについて、様々な発災時刻を想定した予想タイムラインに沿って説明されました。
最後に、研修アドバイザーである、さんすい防災研究所 代表 山﨑水紀夫 氏より挨拶をいただきました。
参加した職員からは、「発災後に起こることが具体的にイメージできた」「災害発生の時間帯や状況を具体的に考えることで人の動きや状況の変化を想定することができ、心構えができた」などの感想がありました。
第5回避難所運営研修を11月16日(水曜日)・24日(木曜日)に池キャンパスで、11月21日(月曜日)に永国寺キャンパスで開催しました。参加者は54名でした。
今回は、本学で地震が発災した際のタイムラインを想定したグループワークを行いました。
まず、地震発災~6時間、6時間~1日、1日~3日、3日~1か月の時系列において、各機関(大学全体・避難所・救護所)がそれぞれどのような対応をする必要があるのかを考え、「災害対策本部設置」「避難所立ち上げ」「施設の安全確認」等の項目が書かれたカードを時系列順に配置しました。
次に、実際の池キャンパスの施設の平面図を用いて、一時避難場所や物資の保管場所の位置などを確認しました。また、避難所となる体育館図面を使用し、避難所の通路確保・区割り、受付や掲示板等の位置のシミュレーションなども行いました。
最後にグループごとに発表を行い、議論を深めました。
参加した職員は、第1回から4回までの研修で学んだことを生かし、学内で起こりうるさまざまなことを想定しながら真剣に取り組んでいました。参加した職員からは、「大学の設備内容や避難所運営について、改めて知らないことが多いことに気がついた」「話し合いながら時系列に内容を落とし込むことで、するべきことが明確になった」などの感想がありました。