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クリティカルケア看護学領域では、生命危機状況にある患者とその家族に対して、医療チームと協働しながら高度な看護を展開する能力を修得します。クリティカルケア看護学独自の援助方法を開発し、看護実践を変革していく能力を修得します。
患者家族を中心として、救急・集中治療部門にとどまらず部署を横断し、さらに地域社会を見据えて継続した看護ケアを提供できる人材の育成を目指しています。ケアとキュアを統合して実践することが常に求められています。しかし、日常的であるが故に、無意識のうちに行われ、そこにある看護が見えなくなることが課題でもあります。治療処置の効果を判断し、病状安定化のための身体的ケアを実践し言語化すること、そして患者の全人的な苦痛を理解し適切なケアを展開する能力を講義と実践演習、そして研究を通して身につけていきます。
急性・重症患者看護専門看護師(以下CCNS)として活動する修了生、またCCNSを目指して活動する修了生、看護基礎教育の現場で次世代の看護職の育成に力を発揮する修了生がいます。どんな場での活動でも、看護の対象のニーズや体験に真摯に向き合い、対象のアウトカムの向上を目指してそれぞれに活動をしています。CCNSの認定試験に向けた学習会、実践能力向上のために開催する事例検討会などを通して、修了後も相互の情報共有や支援を行い、修了生がともに学び合っています。
大学院で学ぶことは、自分とは異なる価値観や考えに触れ、自分自身の価値観や考え方に気づく機会となります。また、専門科目で学んだ知識を活用しながら、患者さんのアウトカムを考えて看護を展開していく実践演習は現場で専門看護師の指導のもとCCNSとしての思考過程を学びます。講義で学んだこと実践演習で関心を持ったことを通して、専門領域で課題となる現象を掴み、研究課題に取り組み、修士論文としてまとめます。これら全ての体験が、自分と向き合い思考することであり、苦しくもありますが、CCNSとしての実践能力を確実に身につけていきます。事例検討会、修了生を交えたリカレント敎育、他大学との交流会など、学内外のネットワークで、交流しながら豊かに学ぶ機会があります。
・生命危機状態や周術期にある患者や家族の体験に関する研究
・生命危機状態、周術期にある患者や家族の看護に関する研究
・生命危機状態、周術期にある患者や家族を支援する看護師の教育プログラムに関する研究
・救急・集中治療領域の看護師の苦悩や成長に関する研究 など
クリティカルケアにおける看護実践上の課題解決に向けて、臨床と協働して研究に取り組んでいます。
高知県立大学大学院看護学研究科博士前期課程程
クリティカルケア看護学 教授 大川 宣容
〒781-8515 高知県高知市池2751-1
Tel:088-847-8703
e-mail:okawa@cc.u-kochi.ac.jp