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私たちが出会うケアの対象者のそばにも、家族がいます。私たちが看護者としてケア対象者の家族に出会うとき、その存在は、患者さん・療養者さんを支える大切な存在であり、私たちの心強いパートナーとして位置付けて働きかけます。しかし、ときにはかかわりが難しいと感じることもあるのではないでしょうか。
家族看護学領域では、家族をひとつのユニットとしてとらえ、健康問題と家族との関係、私たち医療従事者を含む社会と家族との関係など、個人ー家族ー地域ー保健医療福祉制度のダイナミクスの中で家族を理解し、家族もまたケアの対象者であるととらえて看護ケアを実践するための知識や技術を修得します。
健康問題をもつ人とその家族の反応を読み解くことができれば「難しい」と感じる家族とのかかわりにも、新たな糸口がきっと見つかります。
学べば学ぶほど奥深い家族看護の世界を、一緒に体験してみませんか?
高度実践看護師コースの修了生の多くは、病院や訪問看護ステーションで家族支援専門看護師として家族ケアを実践するだけでなく、家族看護に関する現任教育や、施設外の専門職者と協働して家族の健康の保持増進に寄与する活動に携わるなど、幅広く活躍しています。また、大学教員として、看護基礎教育に携わっている方もいます。
家族看護学領域では、アセスメント力や実践力を高めるための研鑽の場として、修了生同士、修了生と在学生の交流の場として、定期的に事例検討会やリカレント教育を開催しています。さらに、高度実践看護師を目指す方へのサポートにも力を入れています。
本コースには、看護師・助産師・保健師など様々な背景をもち、成人系の一般病棟、小児科、ICUや救急外来、緩和ケア病棟、NICU、訪問看護ステーションなど多岐に渡る臨床経験をもつ方が入学されています。
このように、家族へのケアは、あらゆる場面で必要とされています。本コースでは、皆さんが実践の場で感じている課題の本質をとらえ解決するための、高度な看護実践能力の修得を目指しています。さらに、医療チームにおいて調整役や変革者として機能する能力、家族看護の研究を企画・推進していく能力を修得します。
家族看護の実践力を身につけたい、実践の場を変えていきたい、などの意欲のある方の受験をお待ちしています。
・病気や障害をもつ人とその家族への看護に関する研究
・病気や障害をもつ人とともに生きる家族の体験に関する研究
・先天的な障がいのある子どもの家族に関する研究
・出産や育児を体験している家族に関する研究
・様々な状況にある家族をケアしている看護者に関する研究
高知県立大学看護学研究科博士前期課程
家族看護学 教授 長戸和子
〒781-8515 高知県高知市池2751-1
Tel:088-847-8708
e-mail:nagato-k@cc.u-kochi.ac.jp