本文
健康問題をもつ方を含む一単位の家族を看護の対象として捉え、家族本来のセルフケア機能を高め、主体的に問題解決できるよう、支持的・予防的・治療的に支援する家族看護学の理念や理論、方法を学びます。それらの理論やモデルを用いて家族をアセスメントし、アセスメントを統合して家族像を形成する能力、家族と援助関係を形成しながら、家族像をふまえて、家族の健康を促進するために働きかける家族看護実践の方略を考案する能力を修得します。さらに、国内外の研究成果を家族看護実践に活用する能力、家族看護の新たな知見を見出すための研究を企画・推進していく能力を修得します。また、医療チームにおいて調整役や変革者として機能する能力も修得します。
研究コースの修了生は、様々な場で活躍しています。教員として看護基礎教育に携わっている方は、本コースで学んだ家族看護学の知識体系を基盤としながら、在宅看護学領域や老人看護学領域、母性看護学領域、基礎看護学領域など、幅広い分野で教鞭を執っています。また、臨床実践の場においても同様に、病院だけでなく、訪問看護ステーションや行政機関で看護師、保健師として活躍しています。
個人ー家族ー地域ー保健医療福祉制度のダイナミクスの中で家族を理解し、家族もまたケアの対象者であるととらえる家族看護学の基本的な考え方を修得することにより、多様な選択肢が拡がります。
家族看護学の理論やモデルは、未だ開発途上にあります。皆さんが実践経験の中で抱いてきた家族看護実践に関する課題や疑問について、既存の理論やモデルを用いて探究するだけでなく、家族や医療従事者に生じている現象を紐解くための量的・質的な研究、新たな概念の構築に繋がるような研究に取り組んでみませんか?
・病気や障害をもつ人とその家族への看護に関する研究
・病気や障害をもつ人とともに生きる家族の体験に関する研究
・先天的な障がいのある子どもの家族に関する研究
・出産や育児を体験している家族に関する研究
・様々な状況にある家族をケアしている看護者に関する研究
高知県立大学看護学研究科博士前期課程
家族看護学 教授 長戸和子
〒781-8515 高知県高知市池2751-1
Tel:088-847-8708
e-mail:nagato-k@cc.u-kochi.ac.jp